海外での権利取得

3.各国の意匠制度

1)中華人民共和国

意匠は第4次改正中国専利法(2021年6月1日施行)によって保護されます。

(1)どのような意匠が保護されるのか?

「製品の全体または部分的な形状、図案又はその結合及び色彩と形状、図案の結合に対して行われ、優れた外観を備え、かつ工業への応用に適した新たな意匠」に該当することが必要です。
なお、下記に該当する意匠は保護対象とはなりません。

①通常に購買する際に注意を払わず、かつ消費者が使用するときに見えない物品の形状、図案および色彩的特徴
②物品の技術的機能を実現させるためにのみ用いられる意匠
➂一つの物品を他の物品と連結又は取り付けさせ、これらを機能させるために使用される意匠

(2)どのような手続をとるのか?

①出願
知識産権局に出願します。
②審査
初歩審査(形式審査、複数意匠1出願要件、新規性欠如など)が行われます。
③登録
権利付与決定と同時に意匠特許証書の発行および登録公告がなされます。

 (3)権利の存続期間

出願日から15年です。
延長は認められません。

(4)出願から登録までに要する期間

現在のところ、出願から約6カ月後に登録を受けることができます。

(5)新規性

①中国国内および国外において刊行物によって公開された意匠
②中国国内および国外において公開使用された意匠と同一または類似の意匠は、新規性の要件を満たしません。

(6)新規性喪失の例外

①国が緊急事態又は非常事態の状況下にあり、公共の利益のために初めて公開されたもの
②中国政府が主催または承認した国際博覧会で初めて展覧したもの
➂中国の国家評議会の権限ある部門または中国学術または技術協会によって開催された、学術会議や技術会議で初めて発表したもの
④ 出願人の同意を得ずに他人がその内容を漏らしたものについては、新規性喪失の例外規定の適用を受けることができます。
適用を受けるには、公知になった日から6カ月以内に、願書にその旨を記載して出願します。

(7)多意匠一出願制

類似意匠を1件にまとめて出願することができます。
また、「意匠の簡単な説明」において、どの意匠が基本意匠であるかを明記する必要があります。

 

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