新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行を受けた各国特許庁における期限延長や救済措置の概要

2022年06月NEW

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行を受けた
各国特許庁における期限延長や救済措置の概要

 以下は海外代理人から入手した各国特許庁の動向について概要をまとめたものです。状況の変化により各国特許庁の対応は刻々と変わる可能性がありますので、以下の情報は最終更新日時点での各国動向を示す参考情報としてご参照ください。情報の正確性を保障し得るものではないことはご了承ください。手続の種類により運用等が異なる可能性もありますので、お客様の個別案件において期間延長や救済措置の適用に関してご不明な点がございましたら海外代理人に問合せをさせていただきます。
(最終更新日 2022年6月2日)

【日本】
特許庁
特許庁に係属中の出願又は審判事件について、以下のURLをご参照ください。
新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続の取り扱いについて
https://www.jpo.go.jp/news/koho/info/covid19_tetsuzuki_eikyo.html

今回、「不責事由」及び「正当な理由」による救済に関して、特許庁HPに更新情報が掲載されました。
手続をすることができなかった手続の期限から、新型コロナウイルス感染症のまん延の影響を受けたとは考えにくい場合等を除き、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた旨が記載されている場合は、当面の間、救済を認めることとされました。
新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における救済については、当面の間、証拠書類の提出を必須としない等、柔軟な対応を行うこととされていますが、記載された事項について疑義があると判断した場合、事情を裏付ける証拠書類(罹患証明書、事務所の閉鎖の事実を証明する書面等)の提出を求めることがありますのでご留意下さい。
https://www.jpo.go.jp/news/koho/saigai/covid19_tetsuzuki_kyusai.html
(2022年2月10日更新)

【WIPO】
・紙形式による通知類の郵送を一時休止、電子メールによってのみ送付
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tetuzuki/20200331_covid19.html

・世界の各国特許庁の対応をまとめたCOVID-19 IP Policy Trackerをリリース(英文)
https://www.wipo.int/covid19-policy-tracker/#/covid19-policy-tracker/ipo-operations

[よくある質問(Q&A)]新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対応等について(PCT国際出願)
特許庁HPにPCT国際出願手続における救済措置についての説明が記載されています。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tetuzuki/covid19-pct-faq.html
(6月11日更新)

【欧州】
欧州特許庁(EPO)
異議部における口頭審理
・異議事件に係る口頭審理は2022年5月31日までビデオ審理となる
・2021年1月から、ビデオ会議による証拠調べが可能となった
・当事者の同意を得ることなく審判部はビデオ会議により口頭手続を実施することができることを明確化する新規定が追加された
・ビデオ会議による口頭手続の実施を妨げる重大な理由がある場合には、EPOの敷地建物で開催可能であるが、2022年1月31日の後まで延期される

審査部における口頭審理
・2020年4月2日以降原則口頭審理はビデオ会議により実施されている
・ビデオ会議による口頭審理の実施を妨げる重大な理由がある場合には、EPOの敷地建物で開催可能であるが、2022年1月31日の後まで延期される
・今年の秋からZoomにより実施し、今年末までにSkype for Businessから移行する予定
https://www.epo.org/news-issues/covid-19.html
(2021年11月30日更新)

欧州連合知的財産庁(EUIPO、意匠・商標)
3月9日から5月17日までの期限は5月18日まで自動延長
2020年5月18日を越えて更なる延長はしないことを決定
https://euipo.europa.eu/ohimportal/news/-/action/view/5726800
(2020年5月22日更新)

ドイツ特許商標庁(DPMA)
・2021年6月1日以降、知財手続における聴聞・口頭審理や従業者発明法に基づく調停委員会における聴聞等は、感染が一定の制限を下回ることを条件に再びDPMAで実施される可能性がある。今後の開始手順に関する情報は、DPMAのウェブサイトにて適時に公表される予定である。
・法定の期限を延長することはできないものの、権利の回復という選択肢がある。
・DPMAの担当部署が個々の事案に応じて条件を満たしているか否かを判断する。
・全てのオンライン業務は稼働中
(2021年6月11日更新)

英国 (UKIPO)
ロンドンオフィス
・英国で今年初めに導入されたCOVID制限の一環として、UKIPOのロンドンオフィスは、クリティカル・ワーカーを除く全ての従業者に対して、少なくとも現在の制限が見直される6月21日まで引き続き閉鎖されている。
・郵送で書類を提出する必要がある場合には、ニューポートオフィスに提出可能である。
・UKIPOは、ケースバイケースで可能な限り、期間延長の請求を考慮する。
(2021年6月11日更新)

ロシア
モスクワ:2021年10月28日~11月7日まで部分的ロックダウン
・コロナ感染症の蔓延により、国民の祝日を延長
・2021年のUnity Day(国民団結の日)は11月4日であり、11月4日と5日が祝日となっていた。
・大統領は、10月30日~11月7日を祝日とすること、及び地方自治(行政)に、更なる休日を設定する権限を与えた。
・モスクワ知事は、10月28日~11月7日までモスクワの部分的なロックダウンを行うと決定した。
・ロシア特許商標庁、ユーラシア特許庁、裁判所が閉鎖するか否かは現在不明。
(2021年10月26日更新)

【北米】
米国
 
・3月27日~5月31日に期限が到来するOA応答、登録料支払い、その他PTAB関連事項の
一部は、理由説明書の提出と同時に6月1日までに提出・支払いすることにより当初期限まで
に提出・支払われたものと見なされる。
(理由の例:オフィス閉鎖等により出願人、発明者等が個人的に新型コロナウイルス感染症の影響を受けたこと)
・中小企業(small and micro entities)については、
上記6月1日までの延長期限が更に7月1日まで延長される
・中小企業については、更に3月27日~9月29日が期限となる出願費用等の支払いについて、9月30日までに支払った場合、期限内に支払ったものとみなされる。但し、支払いの遅れがコロナウイルス感染症に起因する旨のステートメントが必要
・大企業に関しては、5月31日を過ぎた場合、個別対応で上申書等提出により救済が受けられる。

・COVID-19感染症が原因とする延長申請のフォームを公表
https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/sb0449.pdf?utm_campaign=subscriptioncenter&utm_content=&utm_medium=email&utm_name=&utm_source=govdelivery&utm_term=

・復活のための請願費の減免措置
対象
2020 年5 ⽉31 ⽇までに放棄となってしまった特許出願または再審査については、「出願人、発明者、代理人がコロナウィルス感染症によって個人的に影響を受け、そのために期限内に応答できなかった」場合には、復活のための請願費が減免される。
但し、宣誓書が必要
↓ 期限延長・救済措置等をまとめたUSPTOのウエブ
https://www.uspto.gov/coronavirus

・優先権の回復
優先権主張期限が3月27日~7月30日である米国出願についての優先権回復期限:
(a)2020年7月31日、又は
(b)12月の優先期間+2月の回復期限、の遅い方まで延長可
嘆願書(petition)及びCOVID-19が原因で期限内に優先権を伴う後の出願ができなかった旨の声明(statement)を添付することで手数料を免除

・Patents 4 Partnerships
知的財産(IP)マーケットプレイスプラットフォーム「Patents 4 Partnerships」:
ライセンシング可能なCOVID-19パンデミックに関連する特許および公開特許出願を検索できるプラットフォームの提供開始
https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/patents4partnerships20200501.pdf

・優先審査
FDAの承認を要する新型コロナウイルス感染症(COVID─19)用のプロダクト及びプロセスに
ついて、優先審査を開始する
500件の予定
7月13日より申請受付開始
https://www.uspto.gov/about-us/news-updates/uspto-announces-covid-19-prioritized-examination-pilot-program-small-and

・ファストトラック審判 試行プログラム
開始日:2021年4月15日
対象:COVID関連特許出願であって、PTABへの査定系審判請求
但し、COVID-19対策に使用されるプロダクト又はプロセスであって、
FDAの許認可を受けうる案件に限る。
審理期間目標:プログラム参加が認められた日から6ヶ月以内に審決を下す。
手数料: 無料
受付件数上限: 500件
留意点:口頭審理の日程は一度決定すると変更できない
(2021年4月13日更新)

【豪州】
オーストラリア
・これまでCOVID-19パンデミックに起因して、期限内に応答等できない場合、費用・証拠の提出なしに、申請書のチェック欄をチェックするだけで一律最長3ヶ月の延長が認めてきた。
・2021年4月1日からは、期限内に応答できない理由を宣誓書にて説明する必要がある。
延長が認められるか否かは案件毎に判断される
(2021年4月1日更新)

【アジア】
インドネシア
2021年7月3日~20日:ジャカルタを含む各地に緊急事態による行動規制措置
政府関連オフィスを含め、全ての企業等は100%リモートワークとなる。
・特許庁の窓口は、追って通知があるまで閉鎖
・新規出願、その後の書類等の提出等は、オンラインで通常通り可能
(2021年7月8日更新)

 インド
期限延長について、インド最高裁の指令
・期限延長は、2020年3月15日から2022年2月28日の間に期限が到来する案件に適用する。
・2021年10月3日時点の残りの期間については、2022年3月1日から期限計算が再開される。
・2020年3月15日から2022年2月28日の間に期限が到来する案件については、残りの期間の有無に関わらず、2022年3月1日から90日間の猶予が与えられる。
(2022年1月12日更新)

マレーシア
全土ロックダウン:2021年6月1日~14日
更に延長の可能性有り
特許庁も閉鎖:但し、電子出願は可
ヒアリングの期限は延長される
(2021年6月3日更新)

ベトナム
2021年9月9日付けの指令No. 8181/TB-SHTTにより
1.期限が2021年6月30日から10月31日までに到来するIP権確立に関するすべての手続き(例:優先権主張、補足資料提出、オフィスアクション応答、年金/更新料その他料金の支払い、審判請求等)の期限は自動に2021年11月30日まで延長される。
2.その他、出願人がパンデミックの影響を受け、権利の行使・義務の履行が不能な場合は、不可避的事情に関する規則の適用を受け、救済措置の申請をすることができる。
(2021年9月10日更新)
  
タイ
期限延長:2021年4月16日~2021年5月31日の間に期限が到来する
特許/実用新案に関する提出物・補正については
その期限は2021年5月31日まで延長されたと見なされる。
2021年6月1日~2021年6月30日の期間に提出できる。
(2021年4月23日更新)

台湾
・特許出願人は、新型コロナウイルス感染症の影響で法定期間を徒過した場合、
理由説明書とともに、回復申請することができる。
・期間延長は、原則的には本来の指定期間から更に1ヶ月延長でき、
より長い期間延長が必要な場合は、各事案の具体的な事情により適切な期間延長ができる
・尚、知財局は、専利・商標の各段階の手続き(例:新規出願、中間手続き等)につき、オンラインによる手続きを推奨しています。

・法定期間の徒過の形態は概ね、1.出願の遅延(例:特許出願等において優先期間内に出願しなかった場合)と、2.書類(例:優先権証明書類)提出の遅延に大別され、それぞれについて回復申請に必要な証明書類は以下の通りです。

1.出願の遅延
・中央又は地方政府が発行した緊急事態命令
・所在地がロックダウン、出入禁止、或いは交通・郵便業務が停止されたことに関する証明
・当地の法規に則って発行された営業停止等の強制命令
・申請者所在地の中央又は地方政府が発行した外出禁止令、リモートワーク等の強制命令

2.書類提出の遅延
・国外特許商標庁が発行した遅延証明
・国外特許商標庁からの公文書や郵便物の記載から確かに遅延したことを証明
・国外で優先権証明書類を手続きした際に発行される受領証により、法定期間満了前に受領国家に対して優先権証明書類を既に提出していたことを証明
・郵送又は速達便で優先権証明書類を発送した際の事情により、その書類の送達が遅れ、受領時にはすでに法定期限を徒過していたことを証明

一方で、以下の様なケースでは回復申請は認められません。
・ニュースメディアの感染症に関する報道のみで具体的な事由がない。
・会社又は法人が防疫措置として自主的に出勤停止、業務停止、シフト勤務とした内部公告であって、主務管庁が強制的な規制又は命令を通知した証拠がない。
・個々の社員が感染し強制隔離となったが、会社又は法人自体は、正常に営業している。
・感染症によって法定期間に出願又は書類を提出できなかったことを、申請人自ら述べた声明書又は釈明書の提出。
・所在地に、かつて出された強制命令の期限がすでに過ぎている。
(2021年11月1日更新)

【中東・アフリカ】
レバノン
ロックダウン:2021年1月24日まで
ロックダウン期間中の全ての法的期限は延長される
(2021年1月14日更新)