【韓国】無効審判制度の改善-無効審決予告制の導入等

2025年05月NEW

韓国特許庁の特許審判院は、特許権の信頼性と安定性の向上を目指し、無効審判制度や審理手続の改善を推進する旨を公表しました。

韓国特許庁は、儲かる特許という意味の「名品特許」を創出し、経済的利益を上げることを可能とする知財政策の策定に取り組んできました。「名品特許」とは、経済的価値の高い革新的な技術について、広く独占権を確保しつつ、第三者にとっても有効かつ明確であって、権利安定性の高い、儲けに繋がる特許を意味します。

今般、韓国特許庁は、世界市場における韓国企業の技術競争力の強化を目指し、「名品特許」の創出·活用に対する政策ビジョンを策定しました。これに合わせて特許審判院も特許権の信頼性と安定性を高めるべく、無効審判制度の改善に取り組む旨を公表しました。

1. 無効審決予告制の導入
無効審判手続において特許権者と審判請求人との間で十分な攻撃·防御の機会が保障されるよう「無効審決予告制」が導入されます。審判請求に理由があると認められる場合、特許権を無効にする前に無効審決がある旨を予め通知することにより、特許権者に訂正請求の機会を提供し、有効な権利維持に繋げます。

2. 無効審判の審理手続改善
無効審判請求人が無効事由について、より具体的かつ明確な証拠を提示するよう、そして、証拠などの提出期限を厳格に遵守(適時提出原則)するように制度が見直されます。また、事前争点整理を通じて当事者の具体的な主張ないし立証が十分に行われるように、口述審理の効率化が予定されています。

更に、特許審判院は、無効審判請求時に請求項の解釈に関する意見の記載を勧告し、請求項の解釈に異論があるか、又は不明確な部分がある場合には、当事者に追加意見や立証の機会を付与するなど、請求項の解釈手続を強化する予定です。