【マレーシア】付与後異議申立の導入-2025年12月31日発効

2025年11月NEW

マレーシア知財公社(MyIPO)は、2022 年の改正特許法により導入予定であった特許(実用新案)異議申立制度(第55A条および第56A条)について、2025 年 12 月 31 日から正式に運用を開始する旨を公表しました。

1.制度の概要
・異議申立人:利害関係を有する者であれば誰でも、2025年12月31日以降に付与された特許及び実用新案に対して異議申立が可能
但し、非居住者による異議申立の場合、費用担保金(security for cost)が必要
・異議申立期間:特許付与の公告掲載日から6ヶ月以内(延長不可)

2.異議理由
異議申立は、以下の理由にのみ基づいて行うことができる。
・クレームされた主題が「発明」の定義を満たさない
・クレームされた主題が特許保護の対象外である
・新規性・進歩性・産業上の利用可能性が欠如している
・明細書またはクレームが特許規則に準拠していない
・発明の理解に必要な図面が提出されていない

3. 手続の流れ(主要ポイント)
1)異議申立書をMyIPOへ提出(証拠添付、証拠文献等が英語以外の言語の場合は認証された英語翻訳文が必要)
2)特許権者の弁駁書・補正書提出(異議申立書の写しの発行から3ヶ月以内(延長可))
3)申立人の反証提出(弁駁書等が登録官から発行後3ヶ月以内(延長可))
4)登録官が特別異議委員会(OC)を設置
5)OCが特許取消を認める場合は、登録官は特許権者に通知し、特許権者に補正の機会を与える(2か月以内、延長不可)

4. 最終的な決定
・特許は付与されたとおりに維持
・特許は補正後に維持
・特許取消

決定に不服の場合、高等裁判所に行政訴訟の提訴が可能です。

詳細につきましては、MyIPOの以下URLをご参照ください。

・運用開始についての通知
https://www.myipo.gov.my/practice-notice-no-1-2025/

・改正特許規則2025
https://www.myipo.gov.my/patents-amendment-regulations-2025/