【台湾】特許及び意匠出願の実体審査繰延請求作業要点改正-2026年1月1日施行

2026年01月NEW

台湾知的財産局(TIPO)は、特許及び意匠登録出願における実体審査繰延(延期)制度に関する「作業要点」を改正しました。改正後の作業要点は、2026年1月1日より施行されています。

本制度(実体審査繰延請求制度)は、例えば、特許出願について実体審査請求した後であっても、一定の要件の下、出願人が希望する実体審査の開始日を指定することにより、実体審査の開始時期を後ろ倒しすることを可能とするものです。
研究開発や事業化の進捗を見極めながら審査のタイミングを調整したい場合や、審査結果が確定する時期を戦略的にコントロールしたい場合などに活用される制度です。

以下では、特許出願に関する主な改正ポイントについてご説明いたします。

1.実体審査繰延期限の大幅な緩和
従来、特許出願の実体審査繰延は出願日から3年以内とされていました。
(詳細は、弊所知財トピックス2025年1月掲載分をご参照ください。)
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/16716/

今回の改正により、出願日から5年以内まで実体審査の繰延が可能となりました。
繰延請求時には実体審査の再開日を指定する必要がありますが、商業上の事情等に応じて、当該再開日の変更または繰延請求の取下げを行うことができます。
ただし、一度繰延請求を取り下げた場合、再度繰延請求を行うことはできませんので注意が必要です。

2.繰延請求は1出願につき1回限り
制度の濫用防止および審査負担軽減の観点から、実体審査繰延の請求は、1出願につき1回限りとされました。
本制限は、初回審査段階・再審査段階の別を問わず共通であり、いずれかの段階で繰延請求を行った場合、他方の段階において再度繰延請求を行うことはできません。

3.分割出願の取扱い
分割出願については、原出願において実体審査繰延が請求されている場合であっても、各分割出願ごとに独立して繰延請求を行うことが可能とされています。
但し、分割出願の出願日は原出願の出願日と同一とみなされるため、繰延期限については、「出願日から5年以内」という制限を受ける点に留意が必要です。

4.不受理規定の新設
公益または第三者の利益に重大な影響を及ぼすおそれがある場合、TIPOは、実体審査繰延請求を受理しない、または既に受理した手続を終了させることができるとの規定が新設されました。
具体例としては、不正競争訴訟に関連し、当事者が早期審査を請求している案件などが想定されています。

5.経過措置について
改正施行前に実体審査繰延請求が行われ、指定された審査再開日が未到来の案件についても、改正後の規定が適用されます。これにより、出願人は、出願日から5年以内の範囲において、書面により審査再開日の変更を行うことが可能となります。

詳細につきましては、TIPOの以下ウエブサイトをご参照ください。
https://www.tipo.gov.tw/tw/patents/515-68715.html