【ブラジル】ブラジルにおけるバイオ関連制度の最新動向 -遺伝資源アクセス制度の改正とブダペスト条約の国内実施手続完了-

2026年06月NEW

ブラジルでは2026年6月、バイオテクノロジー分野の研究開発および知的財産実務に関連する制度改正が相次いで行われました。

1.遺伝資源アクセス規制の改正
2026年6月11日、政令第13,014号(Decree No. 13,014/2026)が施行され、生物多様性法(Law No. 13,123/2015)の施行規則である政令第8,772号が改正されました。

今回の改正の主眼は、SisGen(国家遺伝資源管理システム)への登録手続の緩和です。新たに「Association Term(登録目的連携契約)」制度が導入され、ブラジル国外の法人がブラジルの遺伝資源又は関連伝統知識(Associated Traditional Knowledge:ATK)にアクセスする場合、ブラジル国内の公的又は民間の研究機関とのAssociation Termに基づき、当該研究機関を通じてSisGen登録を行うことが可能となりました。

従来は、ブラジル国内機関との実質的な科学的共同研究関係の存在が登録の前提条件とされていましたが、今回の改正によりその要件は撤廃されました。

なお、Association Termを利用する場合であっても、外国法人は生物多様性法上の義務を引き続き負い、SisGen登録及び利益配分(Benefit Sharing)に関する責任も維持されます。

2.ブダペスト条約の国内実施手続完了
2026年6月9日、ブラジル政府は政令第13,011号(Decree No. 13,011/2026)により、微生物等の生物学的材料の寄託に関する国際条約であるブダペスト条約(Budapest Treaty)及び同条約の規則(Regulations)を国内法として公布しました。

ブラジルは2025年10月20日に世界知的所有権機関(WIPO)へ加入書を寄託しており、同条約は2026年1月20日にブラジルについて発効しています。今回の政令公布により、条約の国内実施に必要な手続が完了しました。