【韓国】AIを活用した特許行政のイノベーションロードマップ

2023年07月

韓国特許庁(KIPO)は、審査・審判をはじめとする特許行政の全般に人工知能(AI)を適用するAI活用ロードマップを定めて、今年から本格的に推進していくと公表しました。

近年、特許をはじめとする産業財産権の出願件数が増加傾向にある一方で、審査官の増員がこれに追いついていないのが実情です。これを補うべく、KIPOは2023年を特許行政デジタルイノベーションの元年とし、審査・審判をはじめとする特許行政全般にAIを積極的に活用することとしました。
KIPOが公表した「AIを活用した特許行政のイノベーションロードマップ(2023年~2027年)」は、世界最高のAI基盤による審査・審判システムの構築を目標とし、4つの推進戦略及び12の重点推進課題で構成されています。

その内、4つの推進戦略は以下の通りです。
1. 審査官が膨大な特許文献を効率的且つ正確に検索できるように、民間企業と協力して、特許文献の理解・処理に特化したAI言語モデルを開発するとともに、海外の特許文献を韓国語に翻訳してデータベース(DB)化する。

2. 海外特許文献の韓国語翻訳文を活用することで、AIの特許検索範囲を欧米の特許文献にまで拡大する。

3. KIPOに提出される各種書類を対象として、手続き上のミスをモニタリングするシステムを開発し、方式審査に活用する。また、審判システムをデジタル化するために、2024年までにAI基盤による判決文検索サービスを導入する。

4. AIチャットボット機能を高度化し、海外特許文献等に画像データとして含まれる各種実験データを、機械が読み取れるテキストに変換してDBを構築する。