【日本】JPO、大学の研究者の目線に立った知財情報提供に関するパンフレット作成
2025年04月NEW
日本国特許庁(JPO)は、大学の研究者が研究活動を前に進めるヒントを記載したパンフレットを作成しました。このパンフレットは、大学の産学連携組織関係者が、特許に関する取組経験のない大学研究者と対話する際に活用できる情報源となることが期待されています。
1.背景
JPOは、これまでも大学の研究成果を事業化することを目的とした施策を講じてきました。その一環として、大学研究者の特許に対する意欲を高める方法を検討してきましたが、依然として特許に対する取組経験(出願やライセンス等)には研究者により差がある状況です。
また、知財初学者向けの資料は多く存在するものの、大学研究者が自身に必要な情報等を取捨選択することは難しい可能性もあり、特許に対する取組経験のない大学研究者が、特許に対する関心を高め、出願等に取り組むきっかけとなる情報提供の在り方が検討されてきました。
2. 研究者のタイプ別分類
大学の研究者の目線に立った知財の情報提供について調査研究を実施した結果、研究者のタイプによって、特許に取り組むことによって得られるメリットに違いがあり、この違いを意識した情報提供を行うことが重要であることが明らかになりました。
そこで、このパンフレットでは、研究者を「実用志向タイプ」、「真理探究タイプ」、「バランスタイプ」の3つに分類し、研究者のタイプごとに訴求すべき点の違いが説明されています。
具体的には、実用化に対する意識が強い研究者に対しては、社会実装のツールとして特許が機能し得る側面を訴求することが有用であり、一方でサイエンスに対する意識が強い研究者に対しては、研究テーマの広がりを支えるツールとして特許が機能し得る側面を訴求することが有用であるとの示唆があります。
このパンフレットが、大学発の革新的な技術やアイデアを社会実装につなげ、日本経済の活性化に貢献するきっかけとなることが期待されます。
詳細につきましては、経済産業省の以下URLをご参照ください。
https://www.meti.go.jp/press/2025/04/20250418001/20250418001.html
また、「大学の研究者の目線に立った知財の情報提供に関する調査研究報告書」の全文は以下URLから入手できます。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota/document/zaisanken-seidomondai/2024_08_zentai.pdf