【インド】IPO、コンピュータ関連発明(CRI)の審査ガイドラインを公表
2025年08月NEW
2025年7月29日、インド特許庁(IPO)は、「コンピュータ関連発明(CRI)の審査ガイドライン(2025年版):CRIガイドライン2025」を公表し、本ガイドラインは同日施行されました。
CRIガイドライン2025はインド特許法第3条(k)に規定する、「除外の対象となる発明」に関する判断基準をはじめ、人工知能(AI)、機械学習(ML)、深層学習(DL)、ブロックチェーン、量子計算など、先端分野に関連する発明について具体例を追加して詳しく説明しています。
また、インドの裁判所による最近の司法判断を反映しています。
ガイドラインの主なポイントは以下の通りです。
1. 特許適格性: CRIの特許適格性に関する各種規定を説明し、特許庁が審査時に採用すべき手続を明示しています。
2. 特許非適格性の明確化:ガイドラインの多くの部分は、3条(k)に規定する、「除外の対象となる発明」の判断に割かれており、具体的には以下の点をカバーしています。
① 数学的方法
② ビジネスの方法
③ アルゴリズム
④ コンピュータプログラムそのもの
例えば、コンピュータプログラムそのものの項目では、コンピュータプログラムの存在自体で特許性が否定されるのではなく、重要なのは、プログラムが技術的効果を生じるか、技術的問題を解決するかどうかであると記載されています。
例えば、認証メカニズムの改善、データ処理の高速化、またはメモリ使用の効率化などが技術的効果に該当します。
3. 先端技術に関する指針:人工知能(AI)、機械学習(ML)、深層学習(DL)、ブロックチェーン、量子計算など、先端分野に関連する発明について具体的に取り上げています。これらの技術分野においては、抽象的な理論を実装可能な技術的解決策に適用できるように変換することが重要で、抽象的な理論の域にとどまる場合、特許は認められません。
具体的な事例については以下URLをご参照ください。
https://www.ipindia.gov.in/writereaddata/images/pdf/CRI/2.%20Annexure%20I%20-%20Additional%20Illustrative%20Examples.pdf
4. 判例:CRIガイドライン2025は、CRI審査における問題点の理解の助けとして、最近の判例を取り入れています。
IPOは、別紙として重要な判例リストを掲載しています。
https://www.ipindia.gov.in/writereaddata/images/pdf/CRI/3.%20Annexure%20II%20Non%20Exhaustive%20List%20of%20caselaws%20related%20to%20CRIs.pdf
ガイドライン全文は、以下URLから入手できます。
https://www.ipindia.gov.in/writereaddata/images/pdf/CRI/1.%20GUIDELINES%20FOR%20EXAMINATION%20OF%20COMPUTER%20RELATED%20INVENTIONS%20(CRIs)-%202025.pdf