【韓国】韓国知識財産処(MOIP)、特許法条約(PLT)加盟を推進

2026年02月NEW

2025年12月1日、MOIPは、2029年までに特許法条約(Patent Law Treaty:PLT)へ加盟するための手続きを本格的に進める方針を公表しました。
本件は、2025年11月14日に公表された韓米首脳会談の共同説明資料にも盛り込まれており、韓国政府として国家的方針のもとで進められる取り組みです。加盟目標時期は2029年とされています。
PLT加盟が実現すると、韓国の特許出願制度はこれまで以上に簡素化され、海外出願人にとってより利用しやすい制度となる見込みです。

1.PLTとは
PLTは、締約国間で特許手続の方式面を統一・簡素化することを目的とする条約で、2005年に発効しました。現在、米国、日本、英国など43か国が加盟しています。

2.  日本人出願人への影響
1)出願手続きの簡素化
出願日を確定する要件が「出願の意思表示」「出願人の表示」「技術内容の説明」の3点に整理されます。
「技術内容の説明」の記載は全ての言語で提出可能で、韓国語翻訳は後日提出すればよく、初期段階での翻訳負担が軽減されます。
日本企業にとっては、迅速に出願日を確保し、特許戦略を立てやすくなるメリットがあります。

2)期限徒過に対する救済措置
意見書提出期限や優先権主張期限を過ぎた場合でも、一定条件のもとで救済を受けられます。
また、出願や特許権が失効した後でも、権利回復を申請できる制度が導入予定です。
特に個人や中小企業に恩恵が大きく、日本企業でも期限管理上のリスクが低減されます。

3)公証・認証手続きの緩和
現在、特許権移転等には印鑑証明書や署名公証が必要ですが、今後は自筆署名のみで手続き可能となる方向です。
当事者の信頼性に疑義がある場合のみ、公証・認証が求められます。
これにより、日本企業にとっては、権利移転やライセンス契約にかかる手続きコストの削減につながります。

4)国内代理人選任義務の一部緩和
現在、在外者(日本人出願人も含む)は出願時から国内代理人を選任する必要があります。
PLT加盟後は、出願時および手数料納付の段階では代理人を選任せずに手続可能となる見込みです。
ただし、審査段階以降は従来どおり国内代理人が必要です。
これにより、出願初期段階のコストや手続き負担が軽減されます。