【日本】五庁統計報告書2024が公表されました

2026年03月NEW

五庁統計報告書2024(IP5 statistics reports:IP5 SR)は、世界最大の5つの知的財産庁である、欧州特許庁(EPO)、日本国特許庁(JPO)、韓国知識財産処(MOIP)、中国国家知識産権局(CNIPA)、米国特許商標庁(USPTO)による年次特許統計報告書です。
特許に関する主な事項を以下にまとめました。

1.   2024年の出願件数

IP5全体の特許出願件数は、前年比+5.5%と増加しています。
なかでもCNIPAは圧倒的な規模を維持しており、IP5全体の出願件数の約57%を占めています。前年比では+9.0%と大幅な伸びを示しており、全体の増加を力強く牽引しています。 
一方、USPTO(+0.9%)及びMOIP(+1.2%)は微増、EPO(-0.1%)はほぼ横ばいの状況です。JPOは前年比+2.2%と、緩やかな回復基調が続いています。

2.  2024年の特許付与件数

​IP5全体では前年比+7.0%の増加となっています。
CNIPAは前年比+13.5%と大幅に増加しており、審査処理能力の向上が顕著であることが分かります。USPTOは+1.4%と安定して推移しており、EPOは前年比+4.7%と着実な増加傾向にあります。
一方、JPO(-4.3%)およびMOIP(-5.1%)は減少しています。

3.各庁の主な動向

【EPO】
調査の85%が期限内に完了し、特許付与決定の76%が36か月以内に発行されるなど、審査の迅速性は高い水準を維持しています。さらに、審査プロセスのデジタル化が完了し、特許付与手続のエンドーツーエンドでのデジタル運用が確立されたことで、完全なペーパーレス化の実現に一層近づいています。
現在では、出願の90%以上がAIを活用した事前分類システムにより自動的に適切な技術分野へ振り分けられており、審査の効率化と品質向上が図られています。

【JPO】
JPOは、「世界最速・最高品質」の審査の実現をはじめとする各種施策を積極的に推進し、信頼性の高い知的財産サービスの提供を通じて、イノベーションの創出および企業の競争力・経営力の強化を支援しています。
直近の審査実績としては、審査全体の平均期間は12.9か月、First OAまでの平均期間は9.1か月を達成しており、迅速かつ質の高い審査体制を維持しています。

【MOIP】
特許および実用新案におけるFirst OAまでの平均期間は16.1か月となりました。
また、韓国からのPCT出願件数は、2023年の22,166件から2024年には23,641件へと増加し、前年比6.7%の伸びを記録しています。さらに、韓国語はPCT公開言語として世界で4番目に多く使用されており、国際出願における存在感の高まりを示しています。

【CNIPA】
2024年、知的財産保護の一層の強化が着実に推進されました。その結果、知的財産保護に対する国民満足度は82.36ポイントに達し、過去最高を更新しました。
あわせて、審査の質および効率のさらなる向上が図られ、審査全体の平均期間は15.5か月へと短縮されました。さらに、PCTに基づく国際特許出願の受理件数は74,691件に達し、過去最高を記録しました。

【USPTO】
2024年、USPTOはAI支援発明に関するガイダンスを公表し、新たな技術環境に対応した審査運用の明確化を図りました。
また、「Create and Innovate」ツアーを開始し、発明家や中小企業経営者への支援を通じて、イノベーションの促進、起業活動の活性化、そして発明家の機会拡大を後押ししました。さらに、潜在的な発明家を対象として、特許出願の強みや課題を事前に評価する支援を行う「Pre-Prosecution Pilot」プログラムを立ち上げ、より円滑かつ戦略的な出願を支援しています。
詳細につきましてはJPOの以下ウエブサイトをご参照ください。https://www.jpo.go.jp/resources/statistics/ip5_statistics-report.html