【欧州】欧州特許庁(EPO)、異議申立手続を改正
2016年08月
2016年5月31日付けの通知により、EPOは特許異議申立の効率化・迅速化を図るべく、手続の改正を発表しました。改正手続の運用は2016年7月1日に開始しました。
EPOの2015年年次報告書によると、異議申立期間満了時から最終決定までに要した時間は平均26.1ヶ月でした。今回の改正では、庁内のワークフローの効率化を図ると共に書類提出期間を制限すること等により、複雑でない案件について、異議申立期間満了時から15ヶ月以内に決定を出すことを目標としています。
改正された点は以下の通りです。
- 異議申立理由に対する、特許権者の答弁書(及び必要な場合は補正書)の提出期間は4ヶ月とし、期間延長はこれを認めるべき例外的場合(その詳細は現時点では不明)に当たることについて、十分に立証したときにのみ認められます(改正前は、合計期間が6ヶ月間を超えない延長であれば無条件に認められました)。
- 特許権者の答弁書・補正書等に対する異議申立人の弁駁は、異議部が必要と認めた場合に限り提出が要請されます(改正前は、特許権者が補正していれば自動的に要請されました)。
- 特許権者から答弁書・補正書等が提出されると、上記2に該当しない限り、異議部は次のステップとして口頭審理の召喚状を発行します(改正前と比べ、より多くの事案で召喚状が早期に発行されることになり、スピードアップが図られると予想されます)。なお、異議部は、口頭審理が開かれる少なくとも6ヶ月前までに召喚状を発行します。