【トルコ】知的財産権に関する新法施行

2017年03月NEW

トルコ共和国において、新しい知的財産法が2017年1月10日付けで施行されました。

これまで特許・実用新案・意匠・商標・地理的表示は、別々の法令 (Decree Laws) で個別的に保護されていましたが、これら法令が、単一の法律(Law)、即ち、産業財産法(Industrial Property Law)に統合・格上げされることにより、総括的に保護されるようになります。新法制定の目的の一つは、欧州の知的財産法との適合性を図ることにあります。

特許に関する主な改正点は、次の通りです。

1.付与後異議申立制度の導入

特許付与の公告日から6ヶ月以内に、何人も異議申立を行うことが可能となりました。異議理由は、特許性欠如、開示不十分及び新規事項追加です。

異議申立がなされたことが特許権者に通知されると、特許権者は、答弁書及び/又は補正書を提出することができます。異議申立の審理は、合議体(Re-examination and Evaluation Board)により行われます。

2.無審査で付与される存続期間7年の特許の廃止

旧法で認められていた、無審査(ただし方式審査のみ行われる)で付与される存続期間7年の特許の制度が廃止されました。

新法では、実体審査が特許付与の必須条件となり、サーチレポート受領から3ヶ月以内に審査請求をしなければなりません。

3.強制実施権の適用拡大

旧法(第99条)の下では、以下の場合に、対象特許に対する強制実施権が認められていました。

・対象特許が不実施の場合
・自らの特許の主題に従属性がある場合(即ち、自分の特許発明を、他人の先の対象特許発明を実施することなく実施し得ない場合)
・公益性を理由とする場合

新法では、上記に加え、以下の場合においても、強制実施権の設定が可能とされています。

・TRIPS協定の規定に沿って、他国の公衆衛生のために必要となった医薬品を輸出する場合
・植物育種家が、他人の対象特許権を侵害することなく、新種の開発をすることができない場合
・対象特許の特許権者の行為が、市場競争を制限、妨害又は阻害している場合

4.不特許事由の追加

不特許事由に次の事項が追加されました。

・動植物又はそれらの生産の生物学的な方法(但し、微生物学的方法又は微生物学的方法による生産物を除く)

また、例えば、以下の発明は、旧法下から引き続き、不特許事由とされております。今般の改正では、新法中に明記されました。
・ヒトをクローン化する方法
・ヒトの生殖系列上の遺伝子同一性を改変する方法
・ヒトの胚の工業又は商業目的での使用
・動物の遺伝子的同一性を変更する方法であって、人又は動物にとって実質的な医療上の利益をもたらすことなく、当該動物に苦痛をもたらす虞のあるもの

5.特許権の回復

維持年金の支払期日徒過により失効した特許権について、特許商標庁からの失効通知受領後、2ヶ月以内に、手数料と共に維持年金を支払った場合、特許権の回復が可能となりました。