【欧州】欧州特許庁、2016年年報を公表

2017年06月

欧州特許庁(EPO)は、2017年3月7日付で、同庁における2016年の出願件数等を公表しました。
それによると、EPOが実際に審査を行う、欧州特許出願(European Patent Application)の件数(注1)は、過去最高を記録した前年とほぼ同数の159,353件(0.4%減)となりました。
欧州特許出願件数の上位10ヶ国は下表の通りです。日本出願人による欧州特許出願件数は、この数年、減少傾向が続いています。これに対して、中国出願人による出願件数は前年比で24.8%の大幅増となり、初めて韓国出願人による出願件数を超えました。

国名

出願件数

前年比

1.  米国

40,076

-5.9%

2.  ドイツ

25,086

+1.1%

3.  日本

21,007

-1.9%

4.  フランス

10,486

-2.5%

5.  スイス

7,293

+2.5%

6.  中国

7,150

+24.8%

7.  オランダ

6,889

-3.6%

8.  韓国

6,825

+6.5%

9.  英国

5,142

+1.8%

10. イタリア

4,166

+4.5%

企業別出願件数の上位10社は、下表の通りです。

企業名

出願件数

国/地域名

1. PHILIPS   

2,568

欧州

2. HUAWEI 

2,390

中国

3. SAMSUNG 

2,316

韓国

4. LG   

2,313

韓国

5. UNITED TECHNOLOGIES  

2,067

米国

6. SIEMENS 

1,871

欧州

7. QUALCOMM 

1,704

米国

8. GENERAL ELECTRIC

1,628

米国

9. BASF 

1,410

欧州

10 ROBERT BOSCH 

1,327

欧州

上位10社に、欧州4社、米国3社、韓国2社、中国1社が入りました。日本企業は上位10社には入りませんでしたが、上位20社までに4社が入りました。
特筆すべき点として、特許付与件数が過去最高の95,940件(前年比40.2%増)を記録したことが挙げられます。EPOは、これを生産性向上対策の成果としています。
日本出願人への特許付与件数も、前年比45.6%増の15,395件と、過去最高となりました。
特許付与件数を、出願人の国別で見ると、EPC加盟国51%、米国23%、日本16%、中国3%、韓国3%、その他4%でした。特許付与件数の上位10ヶ国は下表の通りです。

国名

特許付与件数

前年比

1. 米国

21,939

+46.7%

2. ドイツ

18,728

+32.7%

3. 日本

15,395

+45.6%

4. フランス 

7,032

+29.6%

5. スイス

3,910

+28.6%

6.   韓国

3,210

+61.1%

7.   イタリア

3,207

+29.5%

8. 英国

2,931

+40.0%

9. オランダ

2,784

+39.8%

10. スウェーデン

2,661

+37.4%

注1:PCTルートではなく直接EPOに出願されたもの(64,723件)と、EPO域内段階へ移行したPCT出願(94,630件)との合計