【日本】特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)に新機能、特許審査官が用いる検索機能の一部が利用可能に

2018年05月

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)は、特許、実用新案、意匠、商標の公報と同等の情報を無料で検索・照会できるデータベースです。
2018年3月12日より、J-PlatPatのデータベースが大幅に充実され、且つ、検索機能が特許審査システムと一部共通化されたことにより、J-PlatPatで新たな検索機能が利用できるようになりました。例えば、審査官が利用している検索システムのうち、公開情報関連が利用できるようになりました。
新たな検索機能を利用すれば、より正確で効率的な先行技術調査が可能となります。そして、研究開発段階における重複投資・重複研究の防止やイノベーションの促進が期待できます。また、外国特許公報の英文テキスト検索が可能となりましたので、先行技術文献となる米国・欧州・国際出願の公報を、英語にて横断的・効率的に調査することができ、より適切な海外出願戦略を立てることができるようになりました。 

主な追加機能・改善機能は、以下の通りです。

1.追加機能
(1) 特許分類とキーワードを掛け合わせた検索
F1/Fタームとキーワードとの掛け合わせによる検索や、Fタームのテーマコードを指定したうえでキーワードによる検索が可能となりました。
「F1」は、IPCを我が国の技術事情によって細展開した特許分類であり、「Fターム」は、特許審査の先行技術調査(サーチ)を迅速に行うために開発された検索インデックスです。「テーマコード」は、Fターム検索の対象となる技術単位です。いずれも関連先行技術を効率的に絞り込むことを目指して作成された我が国固有のものです。

(2) 近傍検索
互いに近接する2~3単語の対象語を含む日本語文献を検索することが容易となりました。
例えば、食品分野の先行技術調査において、「弾力性」と「こんにゃく入りゼリー」とが10文字以内に近接して記載されている特許文献を、検索式「弾力性, 10N, こんにゃく入りゼリー/TX」で検索することができます。「10N」は、単語間の文字数を示します。この文字数は1~99文字まで指定可能です。

(3) 外国特許公報(米国・欧州・国際出願)の英文テキスト検索
約1500万件の外国特許公報(米国・欧州・国際出願)が、新たに英文テキストにより検索できるようになりました。

2.改善機能
(1) 国内の公開特許公報等のテキスト検索が可能な期間の拡大
昭和46年以降に発行された電子化前の公報(約1000万件)を、新たにテキストで検索できるようになりました。これにより、平成5年以降に電子化されたこれまでの国内公報(約1300万件)と合わせて約2300万件の国内公報が、テキスト検索可能となりました。

(2) 検索結果表示件数の上限拡大
1000件の上限を3000件に拡大しました。 

より詳しくは、経済産業省のサイトをご覧ください。http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180309003/20180309003.html
http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180309003/20180309003-1.pdf