【欧州】欧州特許庁 (EPO)、 2018年の年次報告書を公表

2019年06月

EPOが公式ウェブサイトで2018年の年次報告書を公表しました。
その概要と詳細は、それぞれ下記URLから入手できます。
https://www.epo.org/news-issues/news/2019/20190312.html
https://www.epo.org/about-us/annual-reports-statistics/annual-report/2018.html

主な内容は、次の通りです。

1.出願件数
(1) EPOが実際に審査を行なう、欧州特許出願 (European Patent Application) の件数は、過去最高の174,317件 (前年比4.6%増) を記録しました。
(注:本記事において、欧州特許出願の件数は、PCTルートではなく直接EPOに出願されたもの (71,996件) と、EPOへの広域段階移行手続がなされたPCT出願(102,321件) との合計を表わします。)
(2) 出願人の国・地域別件数
出願人を地域別に見てみますと、EPO加盟国からの出願が全体の47%を占め、アジア (日本: 13%、 中国: 5%、 韓国: 4%) からの出願が22.6%を占めています。
日本出願人による出願件数は、2016年までは減少傾向が続いていましたが、2017年(前年比3.5%増)、 2018年 (前年比3.9%増) と2年連続で増加しました。中国出願人による出願件数は増加を続けているものの、2018年は前年比で8.8%増であり、ここ5年間で最も低い増加率でした。韓国出願人による出願件数は、昨年の減少傾向から一転、前年比13%増の大幅な伸びを示しました。

欧州特許出願件数の上位10ヶ国は下表の通りです。 

国名

出願件数

前年比

1. 米国

43,612

+2.7%

2. ドイツ

26,734

+4.7%

3. 日本

22,615

+3.9%

4. フランス

10,317

-2.8%

5. 中国

9,401

+8.8%

6. スイス

7,927

+7.8%

7. 韓国

7,296

+13.0%

8. オランダ

7,140

+1.4%

9. 英国

5,736

+7.8%

10. イタリア

4,399

+0.9%

(3) 企業別出願件数の上位10社は、下表の通りです。

企業名

出願件数

国/地域名

1. SIEMENS(シーメンス)

2,493

EPO加盟国

2. HUAWEI(ファーウェイ)

2,485

中国

3. SAMSUNG(サムスン)

2,449

韓国

4. LG(エルジー)

2,376

韓国

5. UNITED TECHNOLOGIES
(ユナイテッド・テクノロジーズ)

1,983

米国

6. ROYAL PHILIPS
(フィリップス)

1,617

EPO加盟国

7. QUALCOMM(クアルコム)

1,593

米国

8. ERICSSON(エリクソン)

1,472

EPO加盟国

9. GENERAL ELECTRIC
(ジェネラル・エレクトリック)

1,307

米国

10. ROBERT BOSCH
(ロバート・ボッシュ)

1,286

EPO加盟国

2. 特許付与件数
2018年にEPOが付与した特許の件数は、過去最高を記録した2017年を更に大きく上回り、127,625件 (前年比20.8%増) となりました。
2018年に日本出願人にEPOから付与された特許の件数は、過去最多の21,343件でした。

特許付与件数の上位10ヶ国は下表の通りです。


国名

 

特許付与件数

 

前年比

1. 米国

31,136

+24.7%

2. 日本

21,343

+20.9%

3. ドイツ

20,804

+10.6%

4. フランス

8,611

+17.6%

5. 韓国

6,262

+41.2%

6. 中国

4,831

+51.9%

7. スイス

4,452

+13.3%

8. 英国

3,827

+22.8%

9. オランダ

3,782

+18.2%

10. スウェーデン

3,537

+21.8%

3.生産性向上
EPOの調査、実体審査及び異議申立の処理件数は3.9%増加し、合計約430,000件 (2017年は約414,000件) を記録しました。
また、異議申立から異議決定までに要した期間は、平均18.6か月 (2017年は22.4か月) と大きく短縮されました。