【ベトナム】知的財産法改正-新規性喪失の例外適用期間が12ヶ月に延長

2019年09月

2019年6月14日、知的財産法を改正する法律がベトナム国会で承認されました。
今般の改正目的は、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP)の締結に伴い、国内法を整備することにあります。
改正法の施行日は、2019年11月1日ですが、ベトナムがCPTPPに加盟した日である、2019年1月14日に遡って発効し、2019年1月14日以降の出願に適用されます。

特許に関する主な改正点を以下にまとめます。
1.新規性喪失の例外適用期間(グレースピリオド)の延長
グレースピリオドが改正前の6ヶ月から12ヶ月に延長されました。

2.新規性喪失の例外適用対象の拡大
改正前の旧知的財産法第60条(3)では、適用対象は、下記に限られていました。
(a) 登録を受ける権利を有する者の許可を得ていない他人による開示。
(b) 登録を受ける権利を有する者による科学的提示の形態での開示。
(c) 国内博覧会又は公式若しくは公認の国際博覧会における展示。

一方、改正後の知的財産法第60条(3)では、適用対象は、以下の通りです。
「発明が、登録を受ける権利を有する者によって開示された場合、またはその者から直接若しくは間接的に情報を得た者によって開示された場合、開示の日から12ヶ月以内に特許出願が行われることを条件として、発明は新規性を欠くとはみなされない」。

これにより、新規性喪失の例外適用対象が大幅に拡大しました。