【インドネシア】特許実施義務履行の延期に関する規則改正-新規申請について

2021年07月

インドネシア特許の特許権者は、インドネシア国内において、その特許を実施する義務があり、特許付与から36月以内にこの義務を果たさない場合、強制実施権設定又は裁判所決定に基づく特許取消の対象となり得ます。

これに対し、特許実施義務履行延期申請 (以下、延期申請とします) を提出し、延期申請が認められた場合、最長5年間、実施義務が猶予され、強制実施権設定の対象等から除外される規則が2018年に公布されました(規則No.15/2018)。
詳細につきましては、弊所知財トピックス2018年11月掲載分をご参照下さい。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/5663/
この延期申請について、新たな規則(規則No.30/2019)が公布され、2019年12月9日より前に付与された特許の延期申請期限が、一旦、2022年12月8日まで延長されました。

ところが、現地代理人によりますと、更に新たな規則(規則No.14/2021)が公布され、この規則の施行日である2021年2月3日以降は、新規の延期申請は認められないこととなったようです。

この背景には、2020年11月2日に、インドネシア特許法が改正され、特許を受けた物の製造または特許を受けた方法の使用のみならず、特許を受けた物若しくは特許を受けた方法を使用して製造された物の輸入及びライセンス付与も特許発明の実施に該当することとなり、実施の定義が拡大されたことがあるようです。
インドネシア特許法改正につきましては、弊所知財トピックス2021年2月掲載分をご参照下さい。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/9074/
なお、現地代理人によりますと、2021年2月3日より前に提出された延期申請については適法に処理されるようです。