【シンガポール】ASEAN協調特許審査制度「ASPEC+」開始
2026年05月NEW
2026年4月6日、シンガポール知的財産庁(IPOS)は、ASEAN加盟国の知的財産庁と共同で、新たな特許審査協力制度「ASPEC+(ASEAN Patent Examination Co-operation Plus)」の開始を発表しました。
1.従来制度との違い
従来のASPEC制度は、あるASEAN加盟庁における肯定的な審査結果を、他国での審査加速に活用する「順次型」の仕組みでした。
これに対しASPEC+は、審査初期段階から複数の知的財産庁が同時並行で審査を進める「協調型」の制度です。申請者は主担当庁(Office A)と参加庁(Office B)を指定して申請を行い、主担当庁による検索・審査結果が各庁間で共有されます。各庁は相互に審査内容を調整しながら、10〜14か月以内に整合性のある審査結果の発行を目指します。
2.活用にあたっての留意点
ASPEC+の申請は、各庁においてOA(Office Action)が発行される前に行う必要があります。また、一部法域では対象案件に制限が設けられています。例えば、フィリピンでは、医薬・製薬関連特許はASPEC+の対象外となります。
さらに、各国の国内法や実務運用の違いにより、最終的な審査結果が異なる可能性もあります。そのため、ASEAN各国における審査時期、特許適格性判断、クレーム実務等の差異を踏まえた慎重な出願・権利化戦略の検討が重要です。

