【マレーシア】2027年導入予定のパテントリンケージ制度案について

2026年08月NEW

マレーシアでは、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)に基づくコミットメントの一環として、人用医薬品を対象とするパテントリンケージ制度の導入準備が進められており、導入日は2027年5月1日とされています。

国家医薬品局(NPRA)が公表した制度案によれば、一定の医薬品登録申請について、承認手続と関連特許の状況を行政上連結する仕組みが導入される予定です。申請は4つのカテゴリーに分類され、このうちカテゴリー4(Category 4)は、特許権者又はライセンシーではない申請者が、特許の無効若しくは非侵害を主張し、又は特許満了前の上市を予定する場合の申請類型です。

カテゴリー4の申請者は、MyIPOに記録された特許権者又はライセンシーと、NPRAの登録記録上の製品登録保有者に対して書面通知を行う必要があります。通知の受領確認後、NPRAによる45日間の行政上の保留期間が開始し、この期間内に特許権者側が特許侵害訴訟を提起した場合、NPRAは後発品の承認手続を12か月停止します。もっとも、この停止は、裁判所の最終判断、訴訟の取下げ、当事者間の和解又は特許満了により、それより前に終了することがあります。

制度の対象となるのは、人用医薬品に関する一定の製品特許であり、有効成分、製剤、結晶多形、塩、エステル、剤形、用法・用量レジメン及び承認済み医療用途に関する特許が含まれます。他方、バイオ医薬品、製造方法特許及び包装に関する特許は対象外とされています。さらに、公衆衛生上の緊急事態、緊急の国家措置、強制実施権又は政府使用許諾がある場合には、本制度は適用されません。

また、既に登録されている製品について新たな関連特許が付与された場合又は特許状況に変更があった場合には、製品登録保有者は、MyIPOによる特許付与日から30日以内にNPRAに届け出る必要があります。

2027年の制度導入を見据え、特許権者としては、特許ポートフォリオの見直し、MyIPOとNPRA上の記録の整合性確認、連絡先情報の更新、及び通知受領後45日以内の提訴を前提とした迅速な訴訟対応体制の整備が重要となります。