【韓国】特許出願・特許権の回復に関する特許法・実用新案法の改正

2026年08月NEW

1.改正の背景
韓国特許法では、特許料の追加納付期間(納付期間経過後6か月以内)内に特許料の全額を納付しなかった場合、又は補填期間(補填命令後1か月以内)内に一部未納の特許料を補填しなかった場合、当該特許出願は放棄されたものとみなされ、又は特許権は消滅したものとみなされます。

現行の同法第81条の3では、「正当な事由がある場合」等の要件を満たせば、所定の金額を納付することにより特許出願又は特許権を回復できる旨が規定されていますが、この「正当な事由」の認定率は15.6%にとどまっており、特許料の納付時期を逸した場合の保護が十分でないとの問題意識がありました。

これを受け、2026年8月20日、韓国国会本会議において、特許出願・特許権の回復に関する規定を改正する特許法及び実用新案法(同一趣旨のデザイン保護法改正案を含む)が可決されました。

2.制度趣旨
今回の改正は、資金・人員が限られる個人・中小企業が単純なミスによって特許出願や特許権を失うことを防ぐとともに、米国や日本などの国際基準に沿った権利回復制度を整備することを目的としています。

また、韓国知識財産庁は、特許法条約(PLT)への加入に向けた一連の規制緩和法案を2026年下半期以降も順次発議する計画であるとしています。

3.主な改正内容
改正後の特許法第81条の3第1項では、特許権の設定登録を受けようとする者又は特許権者が、追加納付期間内に特許料を納付せず、又は補填期間内に補填を行わなかったことにより特許出願が放棄されたものとみなされ、又は特許権が消滅したものとみなされた場合であっても、故意に納付又は補填をしなかった場合を除き、追加納付期間の満了日又は補填期間の満了日のいずれか遅い日から1年以内に総理令で定める金額を納付することで、特許出願又は特許権の回復を申請できることとされました。

具体的な変更点は以下のとおりです。

①. 回復要件を「正当な事由」から「故意によるものでない場合(単純なミスや錯誤等)」へと緩和
②. 回復申請期間を「正当な事由が消滅した日から2か月以内」から「追加納付期間又は補填期間の満了日のうち、いずれか遅い日から1年以内」へ延長
③. 納付すべき金額を、従来の未納特許料を基準とする仕組みから、総理令で定める金額を納付する仕組みに変更
④. 特許料未納により消滅した特許権について、期間満了日から3か月以内に2倍の特許料を納付して回復申請できると定めていた改正前第81条の3第3項は、第1項の改正により同様の内容が包含されるため削除され、回復手続が一元化
⑤. 特許料の補填期間経過により特許出願が放棄されたものとみなされ、又は特許権が消滅したものとみなされる場合についても、補填手続ではなく特許出願又は特許権の回復手続の対象となるよう、関連規定(第81条の3、第87条)を整備

4.施行予定日と適用対象
改正特許法は、公布後6か月が経過した日から施行され、施行後に追加納付期間又は補填期間の満了日が到来する案件から適用されます。

5.実用新案法の改正
実用新案法についても、特許法第81条の3を準用する同法第20条及び第21条の改正により、特許法と同一の内容が適用されます。