【インドネシア】憲法裁判所、医薬品関連発明の特許対象除外規定を復活

2026年09月NEW

インドネシア憲法裁判所(Mahkamah Konstitusi)は、2026年8月28日、特許法における医薬品関連発明の特許対象除外規定を復活させる判断を示しました。これは、Law No. 65 of 2024によって削除されたLaw No. 13 of 2016(特許法)第4条(f)について、同条項の復活を求める違憲審査請求を一部認めたものです(Case No. 255/PUU-XXIII/2025)。
2024年インドネシア特許法改正につきましては、弊所知財トピックス2024年11月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/16505/
インドネシア特許法第4条(f)項につきましては、弊所知財トピックス2021年8月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/10035/

第4条(f)は、既知の物質の新たな用途、および有効性の顕著な向上を伴わない既知の化合物の新たな形態を特許を受けることができない発明として規定していました。2024年の改正により同条項が削除されたことで、既知の物質の新たな医療用途(第二医薬用途)等について特許保護が認められ、いわゆる「エバーグリーニング」により医薬品の独占期間が実質的に延長される可能性が指摘されていました。

今回、憲法裁判所は、発明者の特許権と公衆衛生上の利益との適切な均衡を重視し、第4条(f)の削除は、医薬品へのアクセスや公衆衛生の保護を損なう可能性があると判断しました。その結果、第4条(f)およびこれに対応する説明規定を復活させ、従来の特許対象除外を再び適用することを命じました。この判断は、2026年8月28日の判決言渡し時から直ちに効力を生じています。

これにより、現時点では、少なくとも以下の発明は特許対象から除外されます。

・既知の物質の新たな用途(第二医薬用途を含む)
・有効性の顕著な向上を伴わない既知化合物の新たな形態

今回の判決により、インドネシアにおける医薬品関連特許については、既知の物質を基礎とする新たな用途や新たな形態等を対象とする出願について、特許性の判断に大きな影響が生じると考えられます。今後、医薬品分野でインドネシアへの出願を検討する場合には、第4条(f)による除外対象に該当しないかを確認するとともに、発明の技術的特徴や有効性を踏まえたクレーム戦略を検討することが重要となります。