【ドイツ】ドイツ連邦憲法裁判所、統一特許裁判所(UPC)協定を承認するための国内法に対する2件の仮差止申請を却下

2021年10月

ドイツ連邦憲法裁判所は、2021年7月9日、UPC協定承認法に対する2件の仮差止申請を却下した旨を公表しました。
その理由として、基本的権利の侵害の可能性が十分に主張・立証されておらず、申し立てられた憲法上の異議は認められないこと等が挙げられています。
UPC協定承認法とはUPC協定を批准する目的で2020年12月18日に採択されたドイツ国内の法律です。

ドイツでは、2017年3月にUPC協定承認法案が一旦可決されました。ところが、可決の際に連邦議会議員の3分の2以上の賛成を得ていなかったことから、違憲の申立がなされ、2020年3月20日、UPC協定承認法は無効であると連邦憲法裁判所が判断していました。詳細につきましては弊所知財トピックス2020年5月掲載分をご参照下さい。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/7942/

そこで、本法案は、連邦議会 (下院に相当) において、2020年11月26日に議員の3分の2以上の賛成票をもって再度可決された後、2020年12月18日に連邦参議院(上院に相当)で満場一致で可決されており、大統領の署名を待っている状態でした。

ところが、再度、2件の仮差止申請(憲法上の異議申立)が提出され、再びUPC協定への批准が遅れることとなりました。
今般の判決で憲法上の異議申立は退けられ、今後は大統領の署名と官報への掲載を待つのみとなりました。
このまま順調に手続きが進めば、2022年中に、欧州単一特許(Unitary Patent)と統一特許裁判所(UPC)とからなる、単一特許パッケージが発効する可能性もあると考えられています。


編集後記:上記法案は大統領の署名を経て、2021年8月12日に公布、2021年8月13日に施行されました。