【欧州】ドイツがPAP議定書(UPC協定の暫定適用に関する議定書)を批准

2021年12月

2021年9月27日、ドイツが統一特許裁判所(UPC)協定の暫定適用に関する議定書(Protocol on the Provisional Application of UPC Agreement: PAP議定書)を批准しました。
ドイツでは、UPC協定を批准する目的で採択された国内法である「UPC協定承認法」に対する違憲の申立が却下され、2021年8月12日に同法が公布されたことから、PAP議定書の批准がようやく可能となりました。

PAP議定書の発効には13ヶ国の批准が必要とされており、現在ドイツを含めて11ヶ国が批准しています。従いまして、PAP議定書が発効し「暫定適用期間」が開始するためには更に2ヶ国の批准が必要です。残り2ヶ国の批准は、2021年の秋頃には達成できるものと見込まれています。

「暫定適用期間」においては、裁判官の採用やITシステムのテスト等、UPC運用開始に向けた最終的な準備が行われる予定で、完了するには、8ヶ月が必要と見込まれています。また、「暫定適用期間」の後半には「サンライズ期間」が設定され、この期間に「オプトアウト」(UPCの専属管轄からの除外)要求の早期登録が可能となる予定です。

準備作業が完了し、UPC制度開始が可能であると参加加盟国が確信し次第、最終的に、UPC協定の批准書がドイツによって寄託される見込みです。UPC協定はこの批准書の寄託から4ヶ月目の月の初日に発効します。UPC協定が発効すると、UPCはその業務を開始します。
UPC準備委員会の公表では、UPCの運用開始は、現在のところ、2022年半ば頃と予想されています。