【韓国】審決日予告制など審判当事者の便宜を図る制度導入

2023年09月

韓国特許庁では、利用者の利便性向上と迅速な審判の実現に向けた、「審判事務取扱規定」等の訓令改正案が2023年7月に施行されました。
主な内容は以下の通りです。

1.審決日予告制の導入
特許法第162条では、審理終結通知をした日から20日以内に審決することと規定されていますが、従来、審理終結通知に正確な審決日が記載されておらず、審判当事者は、審理終結通知受領後、審決まで最大20日間待たなければなりませんでした。
今般の改正により、審理終結通知に審決予定日が記載されることとなり、審判の当事者が審決予定日を事前に正確に知ることが可能となりました。
これにより、審判当事者は、訴訟提起の準備検討等、次のアクションに備えた計画立案が可能となり、利便性が向上することが期待されます。

2.迅速·優先審判制度の整備
韓国特許審判院では、一般審判のほかに優先審判および迅速審判の制度を設けています。審判請求があった場合、審理は原則として請求日順に行われます。
① 一般審判:原則通り、審判事件の請求日順に審理されます。
② 優先審判:医薬品認可に関連する審判等、優先処理の必要性が認められた事件を扱い、一般審判事件より優先的に審理されます。
③ 迅速審判:知的財産権侵害紛争で法院に係属中の事件と関連する審判等、緊急性が認められた事件を扱い、優先審判事件より迅速に審理されます。

今般、早急な処理が必要な、迅速·優先審判制度が整備されました。具体的には、類似した迅速·優先審判の対象を統合·整理して、制度利用の利便性を高めると同時に、相対的に緊急性の低い事件を迅速·優先審判の対象から除外することにより、一般審判事件の処理期間が過度に長くならないよう配慮されています。