【米国】USPTO、最高裁判決を踏まえた、実施可能要件ガイドラインを公表

2024年02月NEW

2024年1月10日、米国特許商標庁(USPTO)は、Amgen Inc. et al. v. Sanofi et al.事件の最高裁判決(以下、Amgen v. Sanofi判決とします。)を踏まえた、実施可能要件(米国特許法第112条(a)項)のガイドラインを公表しました。
Amgen v. Sanofi判決において、最高裁は、「実施可能要件を満たすためには、明細書に、いくつかの好ましい実施形態を記載するのみでは十分でなく、当業者がクレームされた発明の全範囲を実施できるものでなければならない。また、より広い権利範囲を求めるほど、より多くの開示が求められる。しかし、Amgen社の明細書は、合理的な程度の実験を考慮しても、当業者がクレームされた抗体の全範囲を実施できるものではない。」と判示しました。
Amgen v. Sanofi判決の詳細につきましては、弊所知財トピックス2023年6月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/13727/

Amgen v. Sanofi判決は、バイオテクノロジー分野に関するものですが、今回公表されたガイドラインでは、技術分野に関係なく、USPTOの審査官・審判官は、「実施可能要件」について、Amgen v. Sanofi判決の法理論に基づき判断することで、一貫性を保つとされています。
但し、クレームされた発明の全範囲を実施するために、合理的な程度の実験を考慮したうえで、十分な実施例等が開示されているか否か判断する際に、従来通り、Wands要因(1988年In re Wands事件判決)が用いられることに変更はないとされています。

公表されたガイドラインの詳細につきましては、USPTOの以下URLをご参照ください。

2024年1月9日付けプレスリリース
https://content.govdelivery.com/accounts/USPTO/bulletins/383cd12

2024年1月10日付け官報
https://www.federalregister.gov/documents/2024/01/10/2024-00259/guidelines-for-assessing-enablement-in-utility-applications-and-patents-in-view-of-the-supreme-court