【韓国】韓国版ディスカバリー制度、2028年2月20日から施行
2026年07月NEW
2026年2月19日、「大・中小企業共生協力促進に関する法律(共生協力法)」の改正法が公布されました。同改正法により、技術流用行為に対する証拠収集を強化する、いわゆる「韓国型ディスカバリー(K-Discovery)制度」が2028年2月20日から施行されることとなります。
韓国では従来、営業秘密や技術流用に関する訴訟において、被害を受けた企業が侵害の証拠を十分に確保することが困難であるという課題が指摘されていました。今回の改正は、こうした課題を解消し、技術流用被害に対する実効的な救済を図ることを目的とするものです。
これまでの経緯につきましては弊所知財トピックス2024年3月掲載分もご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/14397/
なお、本制度は現時点では共生協力法の適用対象となる委託企業・受託企業間の技術流用紛争に適用されるものであり、特許権侵害訴訟や営業秘密侵害訴訟には直接適用されません。
改正法では、裁判所が必要と認めた場合に、証拠保全のため専門家を現場へ派遣し、資料や設備などを調査・記録する「専門家事実調査制度」が新たに導入されます。また、調査対象者が正当な理由なく調査を拒否し、又は妨害した場合には、裁判所が申立人の主張を真実と認めることができるなど、不協力に対する制裁措置も設けられています。
さらに、調査により取得された営業秘密や機密情報については、目的外利用や第三者への開示を制限する秘密保持措置が整備されており、証拠収集の実効性の確保と営業秘密の保護との両立が図られています。
本制度の施行により、共生協力法の適用対象となる技術流用紛争では、これまで課題とされてきた証拠収集の負担が軽減され、紛争解決の実効性向上につながることが期待されます。韓国で事業を展開する企業は、本制度の施行に向けた動向を注視する必要があります。
さらに、韓国政府は、特許法、不正競争防止法及び実用新案法についても同様の制度を導入する法改正を推進しており、今後、知的財産紛争全般へ制度が拡大される可能性があります。

