【欧州】EPO、SEPのFRANDライセンス料率の決定手法に関するレポートを公表
2026年07月NEW
欧州特許庁(EPO)は、2026年6月24日、EPO Observatoryと調査コンサルタント会社BRELAによる新たな調査報告書「Methodologies for FRAND determination: evidence from global case law」を公表しました。本報告書は、2013年から2025年までの世界7法域における主要な裁判上の判断65件を分析対象としています。その内訳は、(i) 裁判所が当事者間のライセンス料率を定めた20事件・33件の理由付き判断、(ii) 当事者間で定められた料率が公正かどうかを裁判所が判断した19件、及び(iii) 特定の算定手法の許容性に関する13件です。
SEPは、5GやWi-Fi等の標準規格を実施するために不可欠な特許であり、標準化団体に対するFRAND宣言の対象となるSEPについては、FRAND条件でのライセンス提供が問題となります。もっとも、FRAND料率の決定方法については、法域ごとに法的枠組みや裁判実務に差異があり、各国裁判所で様々な手法が採用されているのが実情です。
本報告書では、分析対象となった判決を、裁判所が当事者間のライセンス料率を設定した20件の事件に対する33件の理由付き判決、当事者間で設定された料率が公正であるか否かを裁判所が判断した19件の判決、および特定の算定手法の許容性に関する13件の判決に分類した上で、各国裁判所において採用されている主要な算定手法を比較・整理しています。具体的には、既存のライセンス契約を参照するComparable licences(比較可能なライセンス契約に基づく手法)、および対象市場全体のロイヤルティ総額から配分を行うTop-down approach(トップダウン方式)が紹介されており、近年の傾向として、Comparable licencesが主たる手法として定着しつつある一方、Top-down approachは検証手段(クロスチェック)として用いられる場合が多いことが指摘されています。また、各国裁判所では、ライセンス条件そのものを定めることから、それを適用することへと判断の焦点が移りつつあるとの分析も示されています。
EPOは、本報告書が、SEPライセンス交渉に携わる企業のみならず、裁判官、仲裁人、調停人等にとっても有用な参考資料となることを期待しているとのことです。
詳細につきましては、以下URLをご参照ください。
2026年6月24日付けEPOニュース
https://www.epo.org/en/news-events/news/standard-essential-patents-new-epo-observatory-study-provides-greater-clarity
Methodologies for FRAND determination: evidence from global case law全文は以下URLから入手できます。
https://link.epo.org/web/publications/studies/en-methodologies-for-frand-determination.pdf

