【欧州】欧州特許のカンボジアでの有効化(validation)について合意

2017年04月

欧州特許庁(EPO)は、欧州特許のカンボジアでの有効化を可能とすることについてのカンボジア工業手工芸省との間の合意文書に署名がされたことを2017年1月23日付けで公表しました。合意発効日は現時点で未確定ですが、2017年7月1日となる見込みです。

この合意が発効すれば、カンボジアは、欧州特許を有効化することのできる、アジアで最初の国となります。すなわち、欧州特許出願日が合意発効日以降であれば、EPOで付与された欧州特許をカンボジアにおいても有効化することが可能となります。カンボジアにおいて有効化された欧州特許は、同国において許可された国内特許と同様な法的効果を有することになります。これにより、カンボジアにおいて、特許を取得するための選択肢が一つ増えることになります。ただし、医薬品分野は一定期間除外される予定です。

EPOの公表によれば、カンボジアは、この合意が、欧州特許権者がカンボジアへ投資しようとするインセンティブをもたらすことを期待しています。カンボジアは、東南アジア地域で最も急成長している経済圏の一つです。カンボジアにおいては、経済を強化して外国からの直接投資を呼び込むために、現在、知的財産制度の近代化が図られています。

なお、これまでにEPC締約国・拡張国以外で欧州特許有効化の合意がなされている国としては、モロッコ(2015年3月1日発効)、モルドバ(2015年11月1日発効)及びチュニジア(未発効)があります。

https://www.epo.org/about-us/organisation/validation-states.html