【中国】専利審査指南を改正

2017年05月NEW

中国の専利審査指南(特許審査ガイドライン)が改正され、2017年4月1日に施行されました。主な改正点は以下の通りです。

1.ビジネスモデル発明に関して(専利審査指南 第2部第1章)

改正前の審査指南では、ビジネス方法に関する発明(ビジネスモデル発明)は、専利法第25条(不特許事由)により特許権を付与しないとされていましたが、新たな審査指南では、「ビジネス法則と方法の内容及び技術的特徴の両方を含む場合」に、特許権付与の対象になり得る(専利法第25条により特許可能性を否定すべきではない)と規定されました。

2.コンピュータプログラム発明に関して(専利審査指南 第2部第9章)

新たな審査指南では、CD-ROM等のコンピュータ可読の媒体に記録されたコンピュータプログラムが、特許付与の対象に含まれることが明確化されました。なお、媒体に記録されていないコンピュータプログラム自体は、依然として特許付与の対象となっていません。

3.実験データの追加提出に関して(専利審査指南 第2部第10章)

今般の改正で、従来の審査指南の不明瞭な箇所を改め、出願日以降に追加提出された実験データを、審査官は考慮しなければならないこと、及び、追加実験データにより証明される効果は、当業者が特許出願の開示内容から読み取れるものでなければならないことが明文化されました。

これは、ある現地代理人によれば、従来の審査と実質的に変更はなく、出願当初記載の実施例から明らかに一般化が可能な範囲、すなわち追加データによる確認的実証が無くても特許性が敷衍して認められる範囲について、確認的に実験データの追加提出が可能であることが審査指南に明文化されたとともに、そのような実験データであれば審査官は審査すべき(無視することはできない、ただし参酌するか否かは別)であるとのことです。

4.無効審判における訂正に関して(専利審査指南 第4部第3章)

無効審判段階での訂正要件が緩和されました。これまでは、請求項の削除、技術案の削除(例:マーカッシュ形式における選択肢の一部削除)、同一の独立請求項と従属関係にある複数請求項の併合しか訂正方法がありませんでした。今後は、他の請求項に記載されている構成要件(技術的特徴)の一部を他の請求項(例えば、メインクレーム)に挿入して減縮すること、及び、請求項中の明らかな誤記の訂正も可能となり、少し訂正の自由度が高まりました。

しかしながら、依然として、明細書中の記載のみを根拠として減縮することは認められていません。よって、権利化後の訂正に柔軟性を持たせて無効審判に対する防御の選択肢を豊富にしておくためには、出願当初から、又は、審査請求時若しくは実体審査移行の所定期間での自発補正により、訂正の根拠となるサブクレームを多数用意しておくことが、今後も重要であると思われます。