【日本】近年の侵害訴訟-知的財産高等裁判所の統計データより

2020年02月NEW

知的財産高等裁判所 (知財高裁) は、ウエブサイトにて、知的財産権関係民事事件の受件数、平均審理期間、判決と和解の分析等のデータを公表しています。その要点を以下にまとめました。

1.平成26~30年の知的財産権関係民事事件の新受・既済件数及び平均審理期間
(1) 知財高裁での統計は次の通りです。
http://www.ip.courts.go.jp/vcms_lf/2019N_stat01.pdf
200120zu05

(2) 全国地裁第一審と全国高裁控訴審の統計は次の通りです。
http://www.ip.courts.go.jp/vcms_lf/2019N_stat03.pdf
http://www.ip.courts.go.jp/vcms_lf/2019N_stat04.pdf

200120zu06

2.特許権の侵害に関する訴訟における統計(東京地裁・大阪地裁)
http://www.ip.courts.go.jp/vcms_lf/2019N_sintoukei_H26-30.pdf

以下の統計は、東京地方裁判所及び大阪地方裁判所の知的財産権専門部が作成した特許権の侵害に関する訴訟の統計情報を、最高裁判所事務総局行政局が取りまとめたものであり、暫定値です。各数値は、平成26年から平成30年の数値を合算したものです。

(1)判決により終局した件数:315件
200120zu08
*認容には一部認容を含む。
*債務不存在確認棄却には一部棄却を含む。
*債務不存在確認棄却は、平成29年からの数値である。平成26年から28年までの債務不存在確認棄却は、棄却に含まれる。

(2)和解により終局した件数: 150件
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上記 (1) 及び (2) の表より、平成26~30年に、判決又は和解により終局したケースは合計465件あり、そのうち315件(約68%)が判決で終局し、150件(約32%)が和解により終局しています。判決に至ったケースのうち、認容判決は81件 (約26%)であり、和解のうち、120件 (約80%) において、差止及び/又は金銭給付が認められました。つまり、侵害訴訟全体の約43%(=(81+120)/465)において、特許権者の訴えが、何らかの形で認められました。

(3)判決で認容された金額
200120zu10
*附帯請求及び訴訟費用に関する金額は含まない。

近年、判決で1億円以上の損害額が容認される件数が増加しています。(平成28年までの累計では6件でした。)

(4)和解において支払うことが約された金額
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*訴訟費用及び和解費用に関する金額は含まない。

(5)無効の抗弁の有無・無効の抗弁に対する判断
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*判決により終局した事件について、各事件において主張された特許権の数を計上している。例えば、1件の特許権侵害訴訟事件で2つの特許権が主張された場合は2件と数えた上で、各特許権について無効の抗弁の有無と無効の抗弁に対する判断(特許有効判断又は特許無効判断)を計上している。

特許侵害訴訟の約73%において、無効の抗弁が主張され、約16%において、特許無効の判断がなされました。