【イスラエル】分割出願に関する審査基準緩和-2020年2月10日より

2020年05月

これまで、イスラエルでは、原出願(親出願)と分割出願(子出願)とのクレームに「重複」がある場合、子出願は拒絶されていました。今般、審査基準が緩和され、クレームの「重複」は拒絶理由とはならないことが明確化されました。

従来の問題点
出願人・出願日が同一の2以上の出願(例えば、分割出願)が下記に該当する場合は、審査対象となっている出願(例えば、子出願)は拒絶されていました。
1.両出願のクレームが同一である。
2.両出願のクレームの範囲が重複する、又は
3.一方のクレームの範囲が他方のクレームの範囲を完全に包含している。

そして、分割は親出願の明細書に記載の発明からのみ可能であって、親出願のクレームの一部を子出願のクレームとする分割は認められませんでした。
また、イスラエルには、米国の “terminal disclaimer” の様なシステムはないことから、上記の基準に従いますと、親出願で狭い範囲の権利を取得し、子出願でやや広い範囲又は少し違う範囲の権利をとるといったことが不可能でした。

緩和された基準
今般緩和された基準では、出願人・出願日が同一の出願については(分割出願に限らず)、同日に存続期間が満了することを条件に、両出願のクレームが「文言上同一又は実質的に範囲が同一」でない限り、「重複」があるという理由のみでは拒絶されません。
この基準は2020年2月10日以降、審査に係属しているすべての出願に適用されます。