【中国】第4回専利法改正の施行に関する重要情報(経過措置関連)

2023年08月

 第4回改正専利法(以下「改正専利法」という。)が2021年6月1日より施行されましたが、
上記改正専利法に対応する専利法実施細則がまだ未発効のため、中国国家知識産権局による
「改正専利法施行後の関連の審査業務の取扱いに関する暫行弁法」の公告(第423号)が公布され
施行されました。2023年1月4日より、上記暫行弁法が改訂され、「改正専利法施行後の関連の
審査業務の取扱に関する暫行弁法」(国家知識産権局公告第510号)として発布され、
2023年1月11日付施行されました。
 ここで、現在施行中の「改正専利法施行後の関連の審査業務の取扱に関する暫行弁法」
(国家知識産権局公告第510号)と、2021年6月1日~2023年1月10日に施行されていた
「改正専利法施行後の関連の審査業務の取扱に関する暫行弁法」(国家知識産権局公告第423号)
の日本語翻訳文を紹介します。
 なお、改正専利法の条文については、こちらをご参照ください。


国家知識産権局公告第510号※1

 改正後専利法の施行を保障するために、創新主体による部分意匠、部分意匠国内優先権に対する切実な審査の要望に応え、国家知識産権局は「改正専利法施行後の関連の審査業務の取扱に関する暫行弁法」を改訂したので、ここで発布し、2023年1月11日より施行する。

国家知識産権局
2023年1月4日

改正専利法施行後の関連の審査業務の取扱いに関する暫行弁法

第1条 専利出願人は、2021年6月1日(当日を含む、以下同じ。)より、紙媒体の形式又は電子の形式で、専利法第2条第4項に従って、製品の部分の保護を求める意匠専利出願をすることができる。
 部分意匠専利を出願する場合は、製品の全体2 の投影図を提出しなければならず、破線と実線とを組み合わせて又はその他の方法で保護を必要とする内容を明示し、保護を求める部分に立体的形状が含まれている場合は、提出する投影図に当該部分がクリアに表示できる立体図が含まれていなければならない。製品の全体の投影図において破線と実線とを組み合わせて保護を必要とする内容が明示されていない場合は、簡単な説明において保護を求める部分を明記しなければならない。

第2条 この弁法が施行される日から、出願日が2021年6月1日以降の専利出願について、出願人が専利法第24条第1項に規定する状況に該当すると認める場合は、紙媒体の形式で又は電子の形式で請求することができる。国家知識産権局は改訂された専利法実施細則の施行後に上述の出願に対して審査を行う。

第3条 出願日が2021年6月1日以降の意匠専利出願について、出願人は専利法第29条第2項に従って意匠専利の国内優先権を主張するための書面声明を提出することができる。
 意匠専利出願人が国内優先権を主張する際、先の出願が意匠専利出願である場合は、同じ主題について意匠専利出願をすることができ、先の出願が発明又は実用新案専利出願の場合は、添付図面に示された意匠について同じ主題の意匠専利出願をすることができる。
 意匠専利出願人が国内優先権を主張する場合、その先の出願は後の出願の提出日から取下げられたものとみなす。ただし、意匠専利出願人が発明又は実用新案専利出願を国内優先権の基礎とすることを要求する場合は除く。

第4条 出願日が2021年6月1日以降の専利出願について、出願人は専利法第30条に従って、最初に提出する専利出願書類の副本を提出することができる。

第5条 2021年6月1日より公告され権利付与された発明専利について、専利権者は、専利法第42条第2項に従って、専利権の権利付与公告の日から3月以内、紙媒体の形式で専利権の存続期間の補償の請求を提出することができ、後続して国家知識産権局によって発行される納付通知に従い関連の費用を納付する。国家知識産権局は改訂した専利法実施細則の施行後に上述の請求に対して審査を行う。

第6条 専利権者は2021年6月1日より、専利法第42条第3項に基づいて、新薬上市許可の請求が承認された日から3月以内、紙媒体の形式で専利権の存続期間の補償の請求を提出することができ、後続して国家知識産権局によって発行される納付通知の要求に従い関連の費用を納付する。国家知識産権局は改訂された専利法実施細則の施行後に上述の申請に対して審査を行う。

第7条 この弁法が施行される日から、専利権者は専利法第50条第1項に従って、紙媒体の形式で又は電子の形式でその専利に対して開放許諾を行うことを自らの意思による声明をすることができる。国家知識産権局は改訂された専利法実施細則の施行後に上述の声明に対して審査を行う。

第8条 この弁法が施行される日から、被疑侵害者は専利法第66条に従って、紙媒体の形式で又は電子の形式で国家知識産権局に専利権評価報告の発行を請求することができる。

第9条 2021年6月1日から、国家知識産権局は専利法第20条第1項、専利法第25条第1項第(五)号に従って、初歩的審査、実体審査及び復審手続における専利出願に対して審査を行う。

第10条 出願人は、国家知識産権局によるこの弁法に従って行われた決定に不服がある場合は、法に依り行政復議申請、復審請求又は行政訴訟を提起することができる。

第11条 出願日が2021年5月31日(当日を含む)までの意匠専利権の保護期間は10年とし、出願日より起算される。

第12条 この弁法は2023年1月11日より施行する。2021年6月1日より施行された「改正専利法施行後の関連の審査業務の取扱に関する暫行弁法」(国家知識産権局公告第423号)は同時に廃止する。

※1 原文の出所:中国国家知識産権局の公式サイト(2023年1月5日)
https://www.cnipa.gov.cn/art/2023/1/5/art_74_181248.html  最終閲覧2023年8月21日)
 国家知識産権局公告第510号は、2023年1月11日より施行された2021年6月1日付施行された改正専利法に対応する専利法実施細則がまだ未確定のための経過措置である。

※2 原文は「整体産品」である。


 

国家知識産権局公告第423号※3

 第13期全国人民代表大会常務委員会第22回会議により、2020年10月17日に「中華人民共和国専利法」の改正に関する決定が可決され、改正専利法は2021年6月1日より施行されることになっている。専利法実施細則がまだ改訂中で、改正専利法の施行を保障するために、国家知識産権局は「改正専利法施行後の関連の審査業務の取扱に関する暫行弁法」を制定して発布し、2021年6月1日より施行することになった。専利出願人、専利権者又は関連の当事者はこの弁法における規定に従って、関連の業務を行うことができる。

国家知識産権局
2021年5月24日

改正専利法施行後の関連の審査業務の取扱に関する暫行弁法

第1条 専利出願人は、2021年6月1日(当日を含む、以下同じ。)より、紙媒体又はオフライン電子出願形式で、改正専利法第2条第4項に基づいて、製品の部分の保護を求める意匠専利出願をすることができる。国家知識産権局は改訂した専利法実施細則の施行後に上述の出願に対して審査を行う。


第2条 出願日が2021年6月1日以降の専利出願について、出願人が改正専利法第24条第1項に規定する状況に該当すると認める場合は、紙媒体の形式で請求することができる。国家知識産権局は改訂した専利法実施細則の施行後に上述の出願に対して審査を行なう。

第3条 出願日が2021年6月1日以降の意匠専利出願について、出願人は改正専利法第29条第2項に従って意匠専利優先権を主張するための書面声明を提出することができる。国家知識産権局は改訂した専利法実施細則の施行後に上述の出願及び優先権主張の基礎出願としての先の意匠専利出願に対して審査を行う。

第4条 出願日が2021年6月1日以降の専利出願について、出願人は改正専利法第30条に従って、最初に提出した専利出願書類の副本を提出することができる。

第5条 2021年6月1日より公告され権利付与された発明専利について、専利権者は、改正専利法第42条第2項に従って、専利権の権利付与公告の日から3月以内、紙媒体の形式で専利権の存続期間の補償の請求を提出することができ、後続して国家知識産権局が発行する納付通知に従い関連の費用を納付する。国家知識産権局は改訂した専利法実施細則の施行後に上述の請求に対して審査を行う。

第6条 専利権者は2021年6月1日より、改正専利法第42条第3項に基づいて、新薬上市許可の請求が承認された日から3月以内、紙媒体の形式で専利権の存続期間の補償の請求を提出することができ、後続して国家知識産権局が発行する納付通知の要求に従い関連の費用を納付する。国家知識産権局は改訂した専利法実施細則の施行後に上述の申請に対して審査を行う。

第7条 2021年6月1日より、専利権者は改正専利法第50条第1項に基づいて、紙媒体の形式でその専利に対して開放許諾を行なうことを自らの意思による声明をすることができる。国家知識産権局は改訂した専利法実施細則の施行後に上述の声明に対して審査を行なう。

第8条 2021年6月1日より、被疑侵害者は改正専利法第66条に基づいて、紙媒体の形式で国家知識産権局に専利権評価報告の発行を請求することができる。

第9条 2021年6月1日より、国家知識産権局は改正専利法第20条第1項、専利法第25条第1項第(五)号に従って、初歩的審査、実体審査及び復審手続における専利出願に対して審査を行う。

第10条 出願日が2021年5月31日(当日を含む)までの意匠専利権の保護期間は10年とし、出願日より起算する。

第11条 この弁法は2021年6月1日より施行する。


※3 原文の出所:中国国家知識産権局の公式サイト(2021年5月25日)
https://www.cnipa.gov.cn/art/2021/5/25/art_74_159631.html  最終閲覧2023年8月21日)
 国家知識産権局公告第423号は、2021年6月1日付施行された改正専利法に対応する専利法実施細則がまだ未確定のための経過措置で、2021年6月1日~2023年1月10日の間に施行されているものである。