【ブラジル】審査遅延解消に向けた取組の進捗状況

2021年11月

ブラジル産業財産庁 (INPI) は、深刻な審査遅延を解消するため、2019年7月より、審査遅延解消プロジェクトに取り組んできました。
取り組みの一環として、例えば、先行技術文献調査結果のみを記載した予備的指令書の発行(予備審査パイロットプログラム)やPPH申請の対象となる特許出願の技術分野の制限撤廃・申請件数制限緩和などが挙げられます。
予備審査パイロットプログラムにつきましては、弊所知財トピックス2021年7月掲載分をご参照下さい。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/9869/
PPH申請の要件緩和につきましては、弊所知財トピックス2021年3月掲載分をご参照下さい。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/9226/

このような取り組みの成果として、出願審査請求から最終処分の公報発行までに要した平均期間は、2015年~2017年では7年以上であったのが、2020年には5.24年にまで短縮され、出願審査請求からファースト・オフィス・アクションの公報発行までに要した平均期間は、2017年は7.16年、2018年は6.94年、2019年は4.69年、2020年は3.30年と大幅に短縮されました。
2020年までの審査待ち件数の削減率(バックログ削減率)は51%であり、2021年5月現在では60.6%の削減率が達成されています。このまま推移するとプロジェクトの最終目標である、2021年末までに80%のバックログ削減が達成されることが見込まれます。