【ブラジル】審判段階における補正等を制限する新規則の変更(続編)

2024年04月NEW

2023年12月12日、ブラジル特許庁(BPTO)は、審判段階での補正等を制限する新しい規則(Legal Opinion第19/2023号)を公表しました。この規則では、審判請求時及び審判段階では、審査段階で審査されなかったクレーム(権利範囲を減縮する補正を含む)、新たな反論及びデータの提出は認められないとされました。
詳細につきましては、弊所知財トピックス2023年12月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/14402/

ところが、2024年2月27日、BPTOは、審判段階での一定の補正及びデータ等の提出を認める旨公表しました(省令No.7/2024)。
詳細につきましては、弊所知財トピックス2024年2月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/14713/

一転、2024年3月19日には、BPTOは省令No.7/2024を撤回し、新たな省令No.10/2024を公表しました。これによりますと、審判部は、あくまでも、審査段階で発行されたオフィスアクションに対して提出された反論や補正クレームに基づいて、審査官の決定の是非を再評価することに重点を置きます。
そして、審判を請求する際の補正と実験データ等の提出について、以下の留意事項を挙げています。

・審判請求時の補正は、従属クレーム、独立/相互関連クレームの組み合わせから明示的に予見できるものであること。拒絶されたクレームに記載されていない事項、つまり明細書のみに記載された事項での限定/減縮は認められない。
・補正は、拒絶の対象となったクレームセットを論理的に限定/減縮したものでなければならない。
・審査段階でクレームから削除された主題は、審判段階で再び組み込むことはできない。
・比較実験や宣誓供述書といった追加データ等は、進歩性の主張を立証するものに限り、審判段階での提出を認める。

新規則(2024年4月2日施行)の下では、審判段階での補正等が制限されるため、最初のオフィスアクションの応答時が、新たな反論や自発的な補正を行う最後の機会となる可能性があることにご留意ください。また、審査段階で除外された事項を、予防的に分割出願すること等もご検討ください。