【米国】USPTO、長官レビューに関する規則制定案通知を公表‐意見募集中

2024年05月NEW

米国特許商標庁(USPTO)は、2024年4月16日付の官報にて、特許審判部(PTAB)による審決等に対する長官レビューに関する規則制定案通知(Notice of Proposed Rulemaking: NPRM)を公表しました。
この規則制定案は、Arthrex事件(United States v. Arthrex, Inc., 141 S. Ct. 1970 (2021))の最高裁判決に沿うものであり、合衆国憲法の任命条項を遵守するためには、USPTO長官がPTABの審決等をレビューする裁量権を有することの必要性を強調しています。Arthrex事件を受けて、USPTOは、2021年にPTABの審決等に対する長官レビューに関する暫定プロセスを導入しました。
長官レビューに関する暫定プロセスにつきましては、弊所知財トピックス2023年9月掲載分をご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/14057/

今般公表されたNPRMは、この暫定プロセスをほぼ反映するものであり、暫定プロセスの正式化を目的としています。規則制定案の主な内容は以下の通りです。

1. 長官レビューの請求は、長官が設置した諮問委員会(Advisory Committee)によって検討されます。
    諮問委員会は少なくとも11名の委員で構成され、事務次官局や政策国際協力局といった、PTAB以外
    の人材を含めることができ、定足数は7名です。諮問委員会は長官レビューの対象とすべき案件を長
    官に推薦します。長官は、レビューの請求、基礎となる審決、および諮問委員会の推薦に基づいて、
    レビューを許可するか拒否するかを決定でき、また、委任再審理パネル(Delegated Rehearing
    Panel, DRP)にレビューを委任することもできます。

2. 当事者系レビュー(IPR)、付与後レビュー(PGR)等の当事者は、① 審理を開始するか否かの決定、
    ② 最終書面決定、③ 上記①または②の決定に対する再審理(Rehearing)請求を認めるパネル決定に
    対して、長官レビューの請求が可能です。
    また、長官は、これらの決定を自発的にレビューすることができます。

3. 当事者は、① 長官レビュー、または② 原審パネルによる再審理のいずれかを請求することができま
    すが、両方の請求は認められません。

NPRMの詳細につきましては、下記URLから2024年4月16日付官報をご参照ください。
尚、USPTOは2024年6月17日まで、意見を募集していますので、内容に変更が入る可能性があります。
https://www.federalregister.gov/documents/2024/04/16/2024-07759/rules-governing-director-review-of-patent-trial-and-appeal-board-decisions