【欧州】UPC(統一特許裁判所)、開設3年 ― 2025年年次報告書で見る利用状況

2026年08月NEW

欧州統一特許裁判所(Unified Patent Court: UPC)は、2023年6月1日の開設から3年を迎えました。この間の主な実績を、UPCが公表した2025年年次報告書(2025年1月~12月の活動をまとめたもの)が以下の通り紹介しています。
なお、年次報告書は以下のページで公開されています。
https://www.unifiedpatentcourt.org/en/news/unified-patent-court-published-2025-annual-report

・2025年にUPC第一審裁判所へ提起された事件は762件で、そのうち侵害訴訟とそれへの反訴としての無効訴訟との合計が429件でした。また、2025年6月および12月の主たる事件(侵害訴訟、無効訴訟、反訴、及び仮処分申立て)は55件および72件となり、2024年同月の31件および35件から増加しました。

・UPC開設(2023年6月1日)から2025年12月末までの累計で、侵害訴訟494件、無効反訴415件、単独無効訴訟88件、仮処分申立て91件が提起されました。

・2025年に提起された侵害訴訟の平均審理期間は398日(約13か月)でした。前年報告(405日)からはほぼ横ばいで推移しており、事件数が急増する中でも審理期間の長期化は見られません。

・2025年12月31日時点の係属案件のうち、60件超が標準必須特許(SEP)関連案件でした。

・2025年に控訴裁判所で取り扱われた新規手続は211件でした。

・UPC第一審裁判所における手続言語は英語が主要となっており、全案件の58%を占めます(2023年末時点では42%)。

開設から3年を経て、UPCは事件数を着実に増加させ、欧州における特許紛争解決の重要なフォーラムとして存在感を高めています。