【米国】査定系再審査(ex parte reexamination)における実質的利害関係者(RPI)の開示義務化に関する規則改正案

2026年08月NEW

米国特許商標庁(USPTO)は、2026年7月22日付の連邦官報(91 FR 46038、Docket No. PTO-P-2025-0545、RIN 0651-AD94)において、査定系再審査請求(ex parte reexamination request)の第三者請求人に対し、全ての実質的利害関係者(real parties in interest:RPI)を開示する陳述書の提出を義務付ける規則改正案(Notice of Proposed Rulemaking)を公表しました。

現行の37 CFR 1.501(d)の下では、第三者請求人は自己の身元を開示することなく査定系再審査を請求することができ、37 CFR 1.510(b)(6)に基づき、当事者系レビュー(IPR)または付与後レビュー(PGR)に係る禁反言規定(35 U.S.C. 315(e)(1)および325(e)(1))に抵触しない旨の証明書(certification)を提出すれば足りるとされています。しかし、USPTOは、近年、IPRまたはPGRで既に争われた特許を対象とする査定系再審査請求が増加していることを踏まえ、全てのRPIがこれらの禁反言規定の適用対象となるか否かをUSPTOが独自に確認できない現状には課題があると指摘しています。

今回の改正案では、新たに37 CFR 1.510(b)(7)を追加し、第三者請求人に対し、全てのRPIを特定する陳述書を、査定系再審査請求とは別紙として、USPTOの電子出願システムの要件に従い電子的に提出することを義務付けます。

提出された陳述書は、原則として特許ファイルおよび再審査ファイルの一部として保存・公開されます。ただし、第三者請求人が書面により非公開を請求した場合には、当該陳述書はこれらのファイルから除外され、非公開として取り扱われます。これにより、公衆に対する匿名性を維持し得る一方で、USPTOに対しては全てのRPIの身元が開示されることになります。

また、37 CFR 1.501(d)についても、匿名提出が認められるのは、同条に基づく先行技術文献等の提出に限られることを明確化する改正が併せて提案されています。

USPTOは、本改正の背景として、2012年のAIA関連規則制定時にも同様のRPI開示要件が提案されたものの、第三者による制度利用を萎縮させるおそれなどへの懸念から最終規則では採用が見送られた経緯を説明しています。その上で、現行の証明書提出義務や37 CFR 11.18に基づく誠実義務のみでは禁反言規定の実効性を十分に確保できないと判断したとしています。

さらに、本改正案は、先に公表されたPTAB規則改正案(37 CFR 42.108(e)(5))とも関連しており、査定系再審査において特許性が確認された請求項について、その後のIPR請求を制限する制度との整合性を図ることも目的としています。

なお、本改正案に対する意見募集期間は2026年8月21日までです。

2026年7月22日付け連邦官報全文は以下URLから入手できます。
https://www.federalregister.gov/documents/2026/07/22/2026-14793/requirement-to-identify-all-real-parties-in-interest-to-a-third-party-request-for-an-ex-parte