【コロンビア】特許規則改正・早期審査(PPH)

2016年11月

  1. I. 特許規則改正

2016年2月2日、コロンビア特許庁は、分割出願、審査等に関する特許規則を改正しました。

主な改正点は以下の通りです。

1. 出願の分割、出願の変更、複数出願の併合が出願係属中いつでも可能となりました。

2. 特許出願を実用新案出願に変更した場合、実用新案出願の審査請求料は原則として不要です。

  1. 分割出願について

 (1) 自発的な分割出願が可能となりました。即ち、分割出願は特許庁からの要求(特に、単一性違反に基づく分割の要求)があった場合のみならず、出願人の発意によっても行うことができるようになりました。
 (2) 分割出願の分割(孫出願)はできません。
 (3) 分割出願に対する出願料・審査請求料の納付が必要です。
 (4) 分割出願のクレーム範囲は、親出願のクレーム範囲と同一であってはならず、また、親出願のクレーム範囲を包含していてはならないとされています。これは、親出願で既に審査された発明の続審となることを避けるためです。
 (5) 特許庁の分割の要求に対して出願人が分割出願をしない場合は、特許庁は、当初出願の最初の発明群のみを審査します。

4. 審査について

(1) 最初の実体審査において、補正がなされたが拒絶理由が解消されなかった場合、特許庁に、更に2回の実体審査を請求することが可能となりました。但し、第2回及び第3回の実体審査のための料金をその都度支払うこと、特許出願の公開から18ヶ月以内(実用新案出願の場合は出願公開から9ヶ月以内)であることが条件となります。なお、今回の改正前は、実体審査は1回のみでした。

      第2回及び第3回の実体審査を受けるための時間的余裕を確保するため、最初の実体審査の審査請求料の納付を6ヶ月の期限内のできるだけ早い時期に行うことが、現地代理人により推奨されています。
(2) 一旦審判を請求すると、特許庁は更なる実体審査の機会を与えないので、審判では、最終的な判断として、特許審決か拒絶審決が出されます。
(3) 補正は、出願が審査又は審判に係属中であればいつでも可能です。但し、特許付与後は、特許の範囲を減縮する補正(訂正)しか認められません。

 

II. PPH 

1.現在、コロンビア特許庁は、日本、米国、スペイン、韓国及び欧州特許庁とPPHを試行しており、これらの特許庁で認められた特許に基づいて、PPH申請することにより、早期に特許される可能性があります。

2.コロンビアでのPPHの申請には以下の書類が必要です。

a) 上記いずれかの特許庁で発行された特許付与証明書
b) 特許となったクレーム及びそのスペイン語翻訳文
c) 上記いずれかの特許庁で発行されたオフィスアクション及びそのスペイン語翻訳文
d) 上記オフィスアクションで引例としてあげられた非特許文献
e) 特許となったクレームとコロンビアで係属中のクレームとの対応表

3.PPH申請後、コロンビアの審査官により、クレームの同等性(対応関係)のみならず、特許適格性や明確性についても審査されます。