【インド】コンピュータ関連発明(CRI)審査ガイドライン改訂

2017年10月NEW

1.背景:

(1) インド特許法は、第3条(k)において、数学的方法もしくはビジネスの方法又はコンピュータ・プログラムそれ自体もしくはアルゴリズムを不特許事由としています。

(2) 2016年2月に公表された旧CRIガイドラインでは、コンピュータ・プログラムそれ自体のクレームは拒絶され、コンピュータ・プログラムが新規なハードウェアとの相互作用により新たな技術的効果が得られることが認められるような場合にのみ、特許性の判断がされると規定されていました。

より詳しくは、旧ガイドラインでは、特許性有無の判断に、以下の3ステージテストが用いられていました。
(ステージ1) クレームを適切に解釈し、実質的な貢献を特定する。
(ステージ2) 当該貢献が数学的方法、ビジネスの方法又はアルゴリズムにのみ該当する場合は、当該クレームを拒絶する。
(ステージ3) 当該貢献がコンピュータ・プログラム分野に該当する場合、それが新規なハードウェアと併せてクレームされているか否かを確認し、当該発明の特許性を判断する他のステップに進む。コンピュータ・プログラムそれ自体には決して特許性はない。当該貢献がコンピュータ・プログラムのみにある場合、当該クレームを拒絶する。当該貢献がコンピュータ・プログラム及びハードウェアの両方にある場合は、他の特許性判断ステップに進む。

また、旧ガイドラインでは、特許されないコンピュータ関連発明の具体例も示されていました。

(3) 上記旧ガイドラインについては、いわゆる「新規ハードウェア」要件に対して、多くの抗議が寄せられたため、CGPDTMは専門家委員会を立ち上げて抗議内容を検証し、様々な観点を考慮して今回、CRIガイドラインを改訂するに至りました。

2.改訂の要点:

今般の改訂では、上記3ステージテスト及び具体例が削除され、新規なハードウェアを有しない発明であっても、クレーム全体として特許法第3条(k)に規定する除外カテゴリーに該当しなければ、特許の対象になるとされました。特許されない具体例が削除されたことで、特許庁の裁量が大きくなると危惧する論評もありますが、一般には、今般の改訂は多くの論説で歓迎されています。

なお、除外カテゴリーに該当するクレームは、原則として改訂前と同様であり、
・純粋に「数学的方法」、「ビジネスの方法」を対象とするクレーム
・「アルゴリズム」を対象とするクレーム
・「コンピュータ・プログラムそれ自体」を対象とするクレーム(コンピュータ・プログラム、および、コンピュータ・プログラムを保存したコンピュータで読み取り可能な媒体を対象とするクレーム)
等が該当します。

 改訂CRIガイドラインの全文はこちらからご覧いただけます。

http://www.ipindia.nic.in/writereaddata/Portal/Images/pdf/Revised__Guidelines_for_Examination_of_Computer-related_Inventions_CRI__.pdf

ジェトロによる改訂CRIガイドラインの和訳はこちらからご覧いただけます。

https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/in/ip/pdf/guidelines_cri_20170630jp.pdf