【ブルネイ、ASEAN】日本での特許付与で、対応出願は早期権利化

2017年12月

ASEAN諸国は、日本企業等の事業展開先として有望視されています。日本特許庁は、日本企業等の円滑な事業展開のために、投資環境を整備する観点から、ASEAN諸国の知的財産制度の整備・強化を支援しています。

2017年8月28日、日本特許庁は、ブルネイ知的財産庁と、新たな特許審査協力となる「特許審査ハイウェイ・プラス(PPHプラス)」を開始することに合意しました。これは、日本の特許審査結果をブルネイ知的財産庁において活用促進するものであり、日本企業等がブルネイで特許をより早く取得できるようになります。

具体的には、日本で特許付与された出願の出願人が、ブルネイへ申請することにより、同出願人のブルネイにおける同内容の特許出願について、日本の審査結果を踏まえて、ブルネイで実質的な審査を経ることなく日本と同内容の権利を迅速に取得できる、というものです。ブルネイ知的財産庁にPPHプラス申請を行ってから、およそ2ヶ月以内にブルネイで権利付与が行われる見込みです。ただし、ブルネイの審査結果を踏まえて日本にPPHプラス申請を行うことはできませんので、通常のPPHとは異なります。このPPHプラスは、2017年10月1日に開始されました。

ブルネイとのPPHプラスを含めると、特許制度が未整備のミャンマーを除く全てのASEAN諸国において、以下のように、日本の特許審査結果を活用する制度が導入されたことになります。

(1) 日本とのPPH:シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム
(2) 日本が特許の付与円滑化に関する協力(CPG):カンボジア、ラオス
(3) 日本とのPPHプラス:ブルネイ

(参考:経済産業省公表、平成29年8月29日)

上記カンボジア、ラオスとのCPGについては、2016年6月と2017年1月の知財トピックスでも取り上げています。(下記サイトをご参照ください。)
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/2871/
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/3543/