【米国】2017年の米国での特許訴訟件数の動向-主な裁判所毎の訴訟件数

2018年04月NEW

1.2017年の米国での特許訴訟件数
2018年1月16日、Lex Machina 社は、同社ウェブサイトに2017年の訴訟動向報告書「Lex Machina Q4 2017 End of the Year Litigation Update」を掲載しました。これによりますと、2017年に米国で提起された特許訴訟は合計4,057件で、2016年の4,529件から10.3%の減少となりました。

2017年の注目される判決の一つとして、2017年5月22日の米国連邦最高裁判所判決(TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC事件)があげられます。当該判決において、最高裁は、特許権侵害訴訟につき、原告は、被疑侵害企業が設立(法人登記)されている州、又は被告が侵害行為を行い且つ恒常的で確立された事業所を持つ地を管轄する裁判所に対して訴えを起こさなければならない、と判示しました。
TC Heartland LLC v. Kraft Foods Group Brands LLC事件については、弊所知財トピックスで2017年8月にお伝えしております(次のURLをご参照ください)。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/4256/

2.主な裁判所毎の訴訟件数と傾向
上記最高裁判決までは、特許侵害訴訟は、特許権者に有利な判決を出すことで知られたテキサス州東部地区連邦地裁(E.D.Tex)等に集中する傾向がありました。しかし、当該最高裁判決の影響を受け、2017年の後半において、訴訟が提起される地裁が、E.D.Texからデラウェア州連邦地裁(D.Del)等の他の裁判所へと移行してきています。

より詳しくは、2017年にE.D.Texに出訴された件数は、依然として第1位を保っていますが、2016年の1,662件から866件へと大幅に減少し、対前年比47.9%減となりました。一方、多くの米国企業が法人登記しているデラウェア州連邦地裁(D.Del)では、2017年の出訴件数は、2016年の454件から777件(下記*注参照)へと急増し(対前年比71.1%増)、第2位となりました。

特に、2017年の第3及び第4四半期の出訴件数に着目すると、E.D.Texへの出訴件数はそれぞれ140件(全訴訟件数の14%)及び121件(同12%)であったのに対して、D.Delへの出訴件数は211件(全体の21%)及び221件(同23%)となり、逆転しました。

D.Delと同様に、2016年に対する2017年の出訴件数の増加率が大きかった裁判所は、マサチューセッツ州連邦地裁、テキサス州西部及び南部地区連邦地裁、ワシントン州西部地区連邦地裁等でした。なお、2017年の出訴件数第3位はカリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所、第4位はカリフォルニア州北部地区連邦地裁でした。

以上より、TC Heartland最高裁判決直後に予想された通りの動向が生じているものと考えられます。

Lex Machina Q4 2017 End of the Year Litigation Updateの全文は、下記URLをクリックしてご覧いただけます。
https://lexmachina.com/lex-machina-q4-litigation-update/

*注:Lex Machina Q4 2017 End of the Year Litigation Updateにおいて、図5の円グラフ及び図7の棒グラフでは777件と記載されていますが、図3中段の棒グラフで示されている件数を合計すると776件になります。