【日本】民事訴訟手続におけるウェブ会議等を活用した新運用

2020年07月NEW

民事訴訟手続のIT化の取組みとして、知的財産高等裁判所を含む特定庁において、2020年2月3日から、ウェブ会議等のITツール(Teams)を利用した争点整理の運用が開始されました。
その背景と概要につきましては、下記URLから弊所知財トピックス2020年2月掲載分をご参照下さい。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/7660/

1.Teamsの採用
新しい運用では、Microsoft社のTeamsというソフトウェアが使用されています。
Teamsは、チームワークを効果的に実現できるアプリケーションであり、チャットによる会話を軸に、資料の共有や同時編集、ビデオ会議等が可能です。

2.事件毎のチーム作成
裁判所は、事件毎に、裁判所、原告代理人、被告代理人等から構成されるチームをTeams上に作成します。代理人等は、裁判所から届く招待メールに貼られた「Open Microsoft Teams」のリンクをクリックし、必要事項を入力することにより、ゲストユーザとして登録されます。
ウェブ会議では、裁判所が開始した会議に参加する設定となり、Teamsの画面上の「会議中」をクリックしてから、「今すぐ参加」をクリックすると、パソコン画面上に裁判官と相手方代理人の顔が映ります。

3.Teamsでできること
・弁論準備や書面による準備手続において、書面や書証を事前にアップロードできます。
・Web 会議機能を利用し、訴訟関係者が集まることなく、弁護士事務所等からも争点整理に参加できます。
・資料共有や同時編集の機能を利用し、裁判所が作成した「争点整理案」の骨子に双方が主張を書き込んで1つの書類を完成することも可能です。
つまり、争点を整理するための資料や、契約書などの関連資料を Teams の画面共有を利用して、関係者全員が同じ場所にいるかのように、文書を確認し、争点を確認・議論・協議することが可能となります。

[争点整理 Web 会議イメージ]
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出典:裁判手続等のIT化検討会(第9回) 配布資料1を編集
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/saiban/dai9/siryou1.pdf

4.Teams(ウェブ会議)ではできないこと
現段階では、Teams を使用したウェブ会議は、現行法下で実施されるものであり、民事訴訟法の「弁論準備手続」又は「書面による準備手続」として行われます。そのため、陳述はできません。したがって、口頭弁論期日には出頭する必要があります。また、オンラインでの訴えの提起もできません。

なお、現段階では、ウェブ会議は法律で定められたものではないので、ウェブ会議を望まない代理人に、裁判所がウェブ会議を強制することはないとされています。