【欧州】欧州特許庁 (EPO)、審査ガイドライン(Guidelines for Examination)を改訂

2021年05月

2021年3月1日付けで、EPO改訂審査ガイドラインが施行されました。前回同様、今回の改訂でも、Part A ~ Hのすべてが改訂の対象となっています。
今回の改訂には、拡大審判部審決G 3/19(本質的に生物学的な方法により得られた植物及び動物は特許対象から除外される旨)を反映した内容や、ビデオ会議による非公式協議の手続等が追加されています。その他の主な改訂事項は以下の通りです。

1.明細書の補正
1) クレームの補正により、独立クレームに包含されなくなった実施形態は明細書から削除しなければならない。但し、当該実施形態が補正後のクレームのある側面を際立たせるのに有用であると合理的に認められる場合はこの限りでない (F-IV, 4.3)。

2) 独立クレームに記載された技術的特徴については、明細書中に任意の要件であるかのような表現で記載してはならない。
これら必須の技術的特徴の前に“for example”, “may”, “can”, “exemplary”, “optionally”, “preferably” “and the like”といった表現がある場合は削除しなければならない (F-IV, 4.3)。

2.単一性
単一性違反の拒絶理由を通知する際、審査官は出願人に以下の事項を示さなければならない (F-V, 3.3.1)。
1.発明をグループに分けた場合の各グループに共通の技術的事項
2.共通の技術的事項が単一の一般的発明概念を形成していない理由
3.異なるグループの間で、共通の技術的事項以外の特徴においても、技術的関連性が認められない理由

改訂審査ガイドラインの全文は、以下のURLからご覧いただけます。
https://www.epo.org/law-practice/legal-texts/guidelines.html

また、変更点のリストは以下のURLからご覧いただけます。
http://documents.epo.org/projects/babylon/eponet.nsf/0/379A5B17BA2DCE90C12586700048EB43/$File/epo_guidelines_for_examination_2021_modifications_draft_en.pdf