【欧州】欧州統一特許裁判所(UPC)のオプトアウト時期について

2026年09月NEW

UPCにおける最近の判断を踏まえ、欧州特許出願について、公開後早期にUPCの管轄からオプトアウトすることが推奨される場合があります。

UPCのOmnia v Sidel事件(UPC_CFI_799/2026、2026年5月7日)では、欧州特許の付与前に提起された非侵害確認訴訟について、UPCが管轄権を認めました。本件では、訴訟提起時点において、対象となる2件の欧州特許出願はいずれも未だ特許付与されていませんでした。その後、特許付与手続が進み、少なくとも答弁書提出期限までに、EPC第97条(1)に基づく特許付与の決定がなされました。UPCは、このような場合には、特許付与前に提起された訴訟についても管轄権を有すると判断しました。

その後、出願人は当該出願についてUPCの管轄からのオプトアウトを申請しましたが、既にUPCで訴訟が提起されていたことを理由として、当該オプトアウトは無効と判断されました。UPC協定第83条(3)および手続規則第5.6条により、対象となる特許または出願についてUPCで訴訟が提起された後は、オプトアウトすることができないためです。

UPCの管轄からのオプトアウトは、欧州特許出願の公開後、出願人がオプトアウトを申請できる時点から可能であり、一定の要件の下、後に撤回することも可能です。そのため、UPCの管轄を回避したい場合には、特許付与が近づくまで待つのではなく、公開後早期にオプトアウトを行うことが、より安全な対応と考えられます。