【中国】医薬品特許紛争早期解決メカニズム行政裁決事件、初の審理終結

2022年09月

2021年6月1日に施行された、改正専利法第76条には、医薬品特許紛争早期解決メカニズム(パテントリンケージ制度)についての規定が定められています。
詳細につきましては、以下のURLから弊所知財トピックスをご参照ください。
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/8996/
https://www.saegusa-pat.co.jp/topics/9304/

先般、中国国家知識産権局(CNIPA)は、医薬品特許紛争早期解決メカニズム行政裁決事件について、3件の審理を終了したと公表しました。

事件の概要
Purdue Pharma社は「オキシコドン塩酸塩徐放性錠剤」(Oxycodone Hydrochloride Controlled-Release Tablets, 商品名:Oxycontin)に係る特許第201210135209.X号、第201510599477.0号、及び第201010151552.4号の特許権者です。
Purdue Pharma社は、宜昌人福薬業有限責任会社のジェネリック薬が上記特許権の保護範囲に含まれることを確認する行政裁決を請求しました。
CNIPAでは、医薬品や化学分野の上級審査官経験者等からなる5名の合議体が審理を担当し、宜昌人福薬業有限責任公司のジェネリック薬は上記特許権の保護範囲に含まれないと認定しました。また、合議体は宜昌人福薬業有限責任公司が提出した、特許が過誤登録である旨の抗弁を審理し、当該抗弁事由は存在しないと認定しました。

審理期間
合議体は、証拠を厳重に管理し、法律に則り、口頭審理等を経て、わずか6ヶ月で審理を終了しました。
現地代理人によりますと、2022年4月の時点で、行政裁決の請求は計59件あり、現時点で受理要件を満たしている請求は39件あるようです。今回の審理経験を活かして、より公正な紛争早期解決メカニズムが確立されることが期待されます。