意匠の登録要件

6.公益的不登録事由に該当しないこと

意匠権を付与することが公益に反するおそれのある意匠は、意匠登録を受けることができません。具体的には、以下の意匠が該当します。

 1)公序良俗を害するおそれがある意匠

 

このような意匠の登録を認めると、法の究極の目的である公益の増進が図れないからです。

<具体例>
・元首の像、国旗、皇室や王室の紋章を表した意匠
・人の道徳観を不当に刺激し、羞恥、嫌悪の念を起こさせる意匠

 2)他人の業務に係る物品と混同を生じさせるおそれがある意匠

  このような意匠の登録を認めると、出所の混同を招き、流通秩序の維持が図れず、需要者の利益を害することになるからです。

<具体例>
・他人の著名な商標、サービスマークなどを表した意匠

 3)物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠

  このような意匠の登録を認めると、意匠法が保護を予定しない技術的思想の創作に対して独占権を付与するのと同様の結果を招くことになるからです。

<具体例>
・物品の技術的機能を確保するために必然的に定まる形状からなる意匠
・物品の互換性確保のために標準化された規格(JIS規格、ISO規格等)により定まる形状からなる意匠

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