タウンページ・キャラクター事件 みずみずしいスイカ 事件

【著作権:資料】 参考裁判例

■タウンページ・キャラクター事件(東京地判平成11年12月21日)-類似性否定

この事件では、被告の作成したタウンページ・キャラクターの図柄と原告作成のキャラクターの図柄との類似性が問題となりましたが、東京地裁は、以下のように述べ著作権侵害を否定する判断を下しました。

「X漫画のキャラクターとY漫画のキャラクターは、本を擬人化したという点では共通しているが、それ自体はアイデアであって、著作権法で保護されるものではない。」

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■みずみずしいスイカ 事件(東京高判平成13年6月21日)-類似性肯定

この事件では、被告の撮影した写真と原告の撮影した写真の類似性が問題となりました。第一審の東京地裁は類似性を否定する判断をしましたが、控訴審の東京高裁は、被写体の決定の創作性も写真の著作物の保護の対象であるとした上で、著作権侵害を肯定する判断を下しました。

「本件写真は、そこに表現されたものから明らかなとおり、屋内に撮影場所を選び、西瓜、篭、氷、青いグラデーション用紙等を組み合わせることにより、人為的に作り出された被写体であるから、被写体の決定自体に独自性を認める余地が十分認められるものである。したがって、撮影時刻、露光、陰影の付け方、レンズの選択、シャッター速度の設定、現像の手法等において工夫を凝らしたことによる創造的な表現部分についてのみならず、被写体の決定における創造的な表現部分についても、本件写真にそのような部分が存在するか、存在するとして、そのような部分において本件写真と被控訴人写真が共通しているか否かをも検討しなければならないことになるものというべきである」

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