キャンディキャンディ事件

【著作権:資料】 参考裁判例

■キャンディキャンディ事件(最判平成13年10月25日)

本件は、漫画「キャンディキャンディ」の原作者である水木杏子が、漫画家いがらしゆみこ及びその許諾を受けて、「キャンディキャンディ」の図柄をあらわしたリトグラフ、絵葉書を製作する会社を相手に著作権法28条に基づく権利を行使した事案です。最高裁は、以下のようにのべ、原告の請求を認容しています。

「本件連載漫画は,被上告人が各回ごとの具体的なストーリーを創作し,これを400字詰め原稿用紙30枚から50枚程度の小説形式の原稿にし、上告人において,漫画化に当たって使用できないと思われる部分を除き,おおむねその原稿に依拠して漫画を作成するという手順を繰り返すことにより制作されたというのである。この事実関係によれば,本件連載漫画は被上告人作成の原稿を原著作物とする二次的著作物であるということができるから,被上告人は,本件連載漫画について原著作者の権利を有するものというべきである。そして,二次的著作物である本件連載漫画の利用に関し,原著作物の著作者である被上告人は本件連載漫画の著作者である上告人が有するものと同一の種類の権利を専有し,上告人の権利と被上告人の権利とが併存することになるのであるから,上告人の権利は上告人と被上告人の合意によらなければ行使することができないと解される。したがって,被上告人は,上告人が本件連載漫画の主人公キャンディを描いた本件原画を合意によることなく作成し,複製し,又は配布することの差止めを求めることができるというべきである。」

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