新しいブランド戦略

1.現代のマーケティング競争

1)現代的な意味でのブランド

商標法が保護対象としている自社商品やサービスを他社のものから区別するためのマーク(標章、目印)に限られず、「ジングル」(Jingle) と呼ばれる短い音楽、コーポレートカラーと呼ばれる色彩や店内の香りまで含まれます。
*「ジングル」やコーポレートカラーは、音、動き、位置商標とともに平成27年4月1日より、商標法の保護対象となりました。

2)ブランドを構成する要素

① マーク、シンボル、キャラクター、ジングル、色彩、香り 

これらは、五感を通じて脳に伝えられる識別記号であり、特定の商品やサービスを思い出す一次連想として働きます。
日本の商標制度においても「ジングル(音)、色彩、位置」などを「新しいタイプの商標(非伝統的商標)」として保護対象とする検討がされています。

② ブランド独自のスタイル、テーマ性、パーソナリティ 

消費者がそのブランドから感じとることができる雰囲気・スタイル、コンセプト・テーマ性および人間的な特性(パーソナリティ)であり、ブランドが消費者のライフスタイル、価値観に影響を与えます。

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3)ブランディング

ブランディングとは価値ある新しいブランドを創造してゆく経営プロセスのことで、自社の商品やサービスについて競合ブランドがもっていない優れた特徴を作り出すための需要者にブランドを通してコミュニケートする長期的なイメージ創造活動をいいます。

ブランディングが必要とされる現代的な理由は、次の点です。

1. 顧客の継続的な購買の動機付けができる。
2. 似たような商品やサービスについて、他社との差別化ができる。
3. 価格維持あるいはプレミアム価格が期待でき、価格競争を回避できる。
4. 強いブランドは顧客、株主、従業員といったステークホルダーとの好循環構造を作り出せる。
5. 合併や分社化、カンパニー制、持ち株会社化により、単一の企業ではなく複数の企業がブランドを共有するときにはブランドがグループ経営の求心力となる。

4)ブランドが経営資源となる理由
P77

5)現代の消費動向
P77②

消費者は「自分に本当に似合うか」、あるいは「自分の生活に本当に役立つか」といった商品の用途や生かし方、つまり、TPOに応じた生活シーンの価値を追求している(消費行動の消費者主導化)
生活提案型マーケティング、つまり、自社の製品、サービスが消費者にいかなるライフスタイルを提言できるかという視点に基づいたマーケティングが必要となります
(ブランドから連想させるアイデンティティを明確にし、それを最も効果的に訴求する消費者とのコミュニケーション戦略、戦術の展開が必要)

6)リレーションシップ・マーケティングの特徴と重要性
P78

7)新しい企業経営の方向

市場において持続的な競争優位を実現するには、顧客のニーズを先取りしライバルの動向、自社の経営資源の分析に基づいて戦略目標や計画を策定したうえで、それに従って戦略的投資を行うことが必要です。
その中心にロイヤルな顧客との取引関係を据えるべきです。
ライバル他社の追随をブロックし、期待される競争的地位や市場シェアを獲得するためには差別化戦略が不可欠となります。顧客に知覚され、認知され、好感を抱かせ購買することをコミットさせる差別化が重要で、ここにマーケティング戦略の存在意義があります。
市場が飽和化し、成熟段階に入っている今日では、新規顧客の開拓もさることながら、長期、継続的な顧客満足の実現(ロイヤルな顧客との相互信頼)がより重要とされます。
自社のブランドは、顧客がそれを目印として企業が顧客に提供する約束であると考えられます。だからこそ、ブランドが顧客に約束する内容を明らかにし、維持し、顧客の信頼や好感度を勝ちとってゆくことが必要となります。

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